【東京五輪世代の最新序列】ブラジル撃破でポジション争いの構図は?A代表の堂安、久保も一番手ではない!?

2019年10月16日 飯尾篤史

GK、リベロは盤石か。注目は右のストッパー争い

東京五輪世代のポジション争いは熾烈を極める。今後も序列が動く可能性は大いにあるだろう。

 親善試合ながらブラジルを敵地で撃破したU-22日本代表。先制を許しながらも、田中碧の2得点、中山雄太のスーパーミドルで鮮やかな逆転勝ちを収めた。果たして、この大金星を掴んだブラジル戦を経て、それぞれのポジション争いはどのような構図となっているのか。今回のブラジル遠征に帯同し、五輪世代の戦いぶりをつぶさに取材してきた記者が、来夏の東京五輪に向けた各エリアの争いを展望していく。
(取材・文:飯尾篤史/スポーツライター)

――◆――◆――

【GK】
◎大迫敬介(広島)
○小島亨介(大分)
△谷 晃生(G大阪)
△オビ・パウエルオビンナ(流通経済大)


◎=レギュラー候補 ○=有力 △=バックアッパー

 すでにA代表デビューを果たし、広島でレギュラーを務める大迫の立ち位置は、盤石と言っていい。この世代のGK争いを牽引してきた小島は、大分で出場機会を掴めていないことが影響したか、今遠征には選出されなかった。

 代わって今回の二番手を務めたのは、G大阪U-23で経験を積む谷だ。昨年11月のドバイカップ以来の選出となった今回、U-20サンパウロとの練習試合でアピールに務めた。


【リベロ】
◎冨安健洋(ボローニャ)
○立田悠悟(清水)
△瀬古歩夢(C大阪)
△岡崎 慎(FC東京)


◎=レギュラー候補 ○=有力 △=バックアッパー

 このチームには18年のトゥーロン国際大会にしか参加していないが、A代表で確固たる地位を確立する冨安が、間違いなく一番手。二番手はこのチームの常連である立田で、今遠征でもU-22ブラジル戦でこのポジションを務めた。

 しかし、所属する清水でポジションを失っているのが気がかりだ。その点、今年6月のU-20ワールドカップに出場し、C大阪でも出番を着実に増やしている瀬古は、ポテンシャルを考えても、二番手争いに食い込んできてもおかしくない。
 

【ストッパー(右)】
○渡辺 剛(FC東京)
○原 輝綺(鳥栖)
△岩田智輝(大分)
△大南拓磨(磐田)


◎=レギュラー候補 ○=有力 △=バックアッパー

 初招集ながらU-22ブラジル代表戦でスタメンを飾ったFC東京の渡辺剛が一気に序列のトップに躍り出た。試合では序盤にPKを与えたものの、時間の経過とともに落ち着きを取り戻した。対人能力と戦術眼に優れる原も有力候補だが、鳥栖で定位置を掴み切れていないためか、U-22ブラジル代表戦では控えに回った。

 もっとも、コパ・アメリカの時のように4バックも併用するなら、サイドバックも務められる原や岩田のほうが重宝されやすい。また、ブラジル戦の終盤には橋岡もこのポジションを務めている。


【ストッパー(左)】
◎板倉滉(フローニンヘン)
○町田浩樹(鹿島)
△古賀太陽(柏)
△椎橋慧也(仙台)


◎=レギュラー候補 ○=有力 △=バックアッパー

 今年3月のミャンマー遠征や9月の北中米遠征、今回のブラジル遠征では町田がこのポジションを務めた。左利きでビルドアップ能力に優れ、高さもある町田は、このポジションに打ってつけの選手だろう。

 とはいえ、それ以前は板倉がこのポジションを務めてきた。A代表でもボランチとして考えられているが、所属するフローニンヘンでは最終ラインに入ることが多いため、このチームでも板倉の左ストッパー起用は十分あり得る。そうなれば、やはり板倉が一番手だろう。
 

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