タジキスタン戦で先発もあるか!? 成長著しいCB畠中槙之輔が渇望する「ステップアップ」

2019年10月13日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

ほんの1年前は代表戦をテレビで観戦

森保ジャパンでは“常連”になりつつある。次世代を担うCBとして、大きな期待がかけられているのは間違いない。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 カタール・ワールドカップのアジア2次予選、日本は2-0で勝利した9月のミャンマー戦に続き、ホーム初戦となった先日のモンゴル戦も6-0の完封勝利を収め、連勝スタートを切った。

 ただ、このモンゴル戦でレギュラーCBの冨安健洋が左太腿を負傷し、チームから離脱。10月15日に予定されているアウェーでのタジキスタン戦では、誰が冨安の代わりを務めるのか、4バックか3バックかのチョイスも含め、森保一監督の采配に注目が集まっている。

 冨安の代役の最有力候補は、現在はベルギーのセルクル・ブルージュで活躍中の植田直通だが、もうひとりのCB畠中槙之輔という選択肢もある。

 今年の3月シリーズでA代表に初招集されると、以後はコパ・アメリカを除き、常時メンバー入りしている成長著しい24歳は、自身初となるワールドカップ予選という大舞台に立つことはできるのか。

 時計の針を少し戻す。2018年シーズンの前半戦、当時はJ2の東京ヴェルディに所属していた畠中は、焦る気持ちを抑えられずにいた。

 テレビを見ながら、「自分はなんでそこにいないんだろう」と、悔しさが込み上げてくる。画面の中では、ひとつ年上の中島翔哉や、ひとつ年下の三竿健斗が、日本代表の一員として試合に出ている。かつて東京Vのユースで一緒にプレーしたチームメイトたちは国際舞台のピッチで戦っているのに、自分はそれを眺めているだけ……。

 小学生から東京Vのアカデミーで育ち、14年にトップ昇格を果たして、畠中のプロキャリアはスタートする。だが、世代別の日本代表にも選ばれる有望株は、思うように出場機会を得られず、苦しい時期を過ごしていた。

 1年目はJ2で2試合、2年目はJ2で4試合と天皇杯で1試合のみ。不遇の2年間を、畠中自身は次のように振り返る。

「今思うと、試合に出られるレベルではなかったし、プロの素質がなかったのかなと思います」
 どこか投げやりになっていた。なぜ試合に出られないのか。その理由を誰かのせいにしたり、言い訳ばかりを探していた。確かに、プロとしての素質が欠けていたのかもしれない。「自分に負けていたというか、ちゃんと自分と向き合えていなかった」。世代別代表に名を連ねるも、それが勘違いにつながっていたと、畠中は認めてもいる。

 このままでは、プロとしての自分はあと数年で終わる。そんな危機感を抱きながら、16年に愛着のある東京Vを一度、離れることを決意する。

 自分を知っている人間がいない、どこか遠くの土地で再出発を図るのもいいかもしれない。最終的にはFC町田ゼルビアへのレンタル移籍が決まる。新天地は同じ関東圏だったが、実家を出て、ひとり暮らしを始め、サッカーに割く時間を増やした。

「町田では、1年間、試合に絡むことができて、それである程度、自分の立ち位置だったり、どれぐらいのレベルにあるかが分かりました」

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