降格圏から一転、上位争いへ! 好調シャルケには、何が起きているのか?【現地発】

2019年10月08日 中野吉之伴

昨季は14位で終えたシャルケ

今季4ゴールで、マルコ・ロイスらと並び、得点ランキング上位に食い込んでいるアリット。モロッコ代表の22歳だ。(C) Getty Images

 ブンデスリーガのシャルケが好調だ。
  
 前々節ではそれまで首位に立っていたRBライプツィヒに3-1と快勝し、リーグ4連勝。今節は1-1でケルンと引き分けたが、7試合を終えてリーグ6位。3位のバイエルンから7位のレーバークーゼンまで勝点14ポイントで並び、上位争いに食い込んでいる。

 昨シーズンは残留争いに沈み、サッカーの質も散々だった。それだけに、ここまでの復調は現地でも、シャルケファンの間でも予想されていなかった。

 復調には様々な要因があると思われるが、特に称賛されているのが、スタッフの仕事ぶりだ。

 例えば、アシスタント・コーチのフランク・フレーリング(41歳)はセットプレーのスペシャリスト。ライプツィヒ戦では、CKをニアポスト付近にいたオマール・マスカレルが後ろにそらし、フリーのサリフ・サネがヘディングで完ぺきに合わせた。これもフレーリングのアイディアだ。

 セットプレーには常にいくつかのバリエーションが準備されており、チームマネージャーのサシャ・リーターは「攻守両面で素晴らしい仕事をしている」と高く評価をしている。

 オフェンス戦術に関してはアシスタント・コーチのクリストフ・ビュラー(42歳)が担当している。昨シーズンはビルドアップもチャンスメイクも手詰まり状態だったシャルケだが、今季は目的を持った攻撃パターンが多く見られるようになった。ボールを奪ってからの攻撃は非常に迫力があり、各選手の能力がうまく発揮されている。

 練習のモチベーションをコントロールするのにも一役買っている。トレーニングにポイント制度を導入し、ミニゲームやシュート練習などで加算しているという。選手はゲーム感覚で盛り上がり、集中力も常に高く保つことができる。

 フィジカルコンディションに気を配っているのが、アスレチックコーチのクラウス・ルイサー(42歳)とボブ・ショース(36歳)だ。疲労度合を示す乳酸値のチェックを毎日行ない、その日のトレーニング内容、負荷具合をしっかりと調整している。そうした詳細な仕事のおかげで、シャルケ選手は毎試合、良いコンディションで試合に臨めているという。

 さらに栄養担当のウーベ・フォンレンテレン、心理療法士のサシャ・レンセ、ビデオ分析のマティアス・クロイツァーといったスタッフも尽力。徹底した仕事ぶりが、チームを押し上げている。

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