【岩本輝雄】“遊び”のないフロンターレに、ヴィッセルが完勝できた要因は?

2019年09月30日 岩本輝雄

フロンターレは、焦りが悪い方向に転がり…

フロンターレが“復活”するには、スピードのある長谷川のようなタイプが必要なのではないだろうか。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ27節]川崎1-2神戸/9月28日/等々力

 リーグ3連覇を目指すフロンターレにとって、痛い敗戦だったかもしれない。同じ節で首位FC東京、2位アントラーズ、3位マリノスがいずれも引き分けで"足踏み"しただけに、ヴィッセルをホームに迎えた一戦は勝点3を取って上位陣との差を縮めたかったはず。でも、結果は1-2の敗戦。2点を先行されて、終了間際に1点を返したけども、反撃もそこまでだった。
 
 どうにもチームの調子が上がってこない要因はいくつかあると思うけど、ひとつには、さすがに研究されてきているように感じる。どこを潰せば、あのパスワークをノッキングさせられるか。憲剛や家長らが狙われることが多いけど、対戦相手はそこを明確にして、ガツンと来る。
 
 個人的な意見では、両サイドにスピードのある選手を置いて、外からもっと引っ張って敵の背後を取れるようになれば、また違った展開が生まれるように思う。足もとでつなぐのがダメなら、外から――ただ、突破力のある学も負傷中だし、戦力的に難しい部分があるのかもしれない。
 
 あとは、最終ラインが少し安定感を欠いていた点も気になる。やはり、負傷中のジェジエウの不在がかなり響いている印象だ。ここ最近の数試合を見ても、後ろからのつなぎが少しずつズレているように見えるし、そこを発端にチーム全体で思うようにテンポを上げられずにいる。
 
 いずれにしても、なかなか勝てない現状で、選手たちも焦りがあるのではないか。その焦りが悪い方向に転がってしまい、良い意味での"遊び"がないというか……。本来の力を出し切れていなかったはずで、フロンターレの選手たちも悔しかったに違いない。

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