【岩本輝雄】“3位対4位”対決はマリノスに軍配。3-0で完勝できた理由は?

2019年09月16日 岩本輝雄

柏が“引かされた”のが痛かった

ボランチの青山はやはり存在感があった。彼の復帰はサンフレッチェにとって大きいよ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[Jリーグ26節]横浜3-0広島/9月14日/ニッパツ
 
 Jリーグもいよいよ終盤戦に突入してきて、優勝争いも残留争いも徐々に盛り上がってきているんじゃないかな。
 
 アントラーズとFC東京の大一番も興味深かったけど、今回はマリノス対サンフレッチェの"3位対4位"対決を取材。結果は、後半に3ゴールを奪取したマリノスが完勝を収めた。
 
 それにしても、三ツ沢はやっぱり雰囲気がいいよね! ピッチとの距離が近くて、そのスピード感や迫力が感じられる。キャパはそこまで大きくないけど、"観戦"という意味では、日本でトップだと思う。高さもちょうど良くて、見やすいんだよね。
 
 僕もプロとしてはもちろん、小学生の頃からこのスタジアムでプレーしたけど、観客との距離が近いから、ファンのみんなのダイレクトな反応が伝わってくるんだ。コーナーを蹴る時なんて、特にそう。ヤジもあるけど、当然、応援の声も聞こえてくる。あれが嬉しいんだよね。これぱっかりは選手にしか分からないと思うけど、あの距離で「頼むぞ!」「ガンバレ!」なんて言われたら、やっぱりモチベーションもテンションも上がるよ。
 
 まず、サンフレッチェについてだけど、攻撃的なマリノスは基本的に後ろは2バック気味になって、さらにラインも高いから、その裏を狙って、いくつかチャンスを作れていた。39分のハイネルからのクロスを渡が合わせたシーンも惜しかったよね。
 
 この日は先発だったボランチの青山も存在感があった。ミスも少しあったとはいえ、青山に入ればボールが落ち着くし、長短織り交ぜたパスも効果的だった。マルコスとのやり合いも見応えがあった。彼の復帰はチームにとって大きいよね。
 
 サンフレッチェの調子のバロメーターは、柏がカットインから敵陣のペナルティエリアの角でどれだけ勝負できるか。その数が多ければ多いほどいいんだけど、今回はいつもより少なかった気がする。それは、同サイドのマリノスのエリキを気にしていたからかもしれない。エリキをケアしようと、"引かされる"場面が多かった。右サイドではハイネルが良い形を作れていたけど、左サイドは物足りなかったかな。そこがサンフレッチェにとって痛かった。前半は良いペースだったんだけどね。
 
 ポゼッションではやはりマリノスに分があり、サンフレッチェは守ってカウンターという策だったと思う。前半で点が取れなかったけど、ある意味、狙い通りにできた部分はあったと思う。でも、さすがにあれだけボールを回されると、走らされるし、体力も奪われてしまう。それが後半に響いた印象だね。

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