【連載・東京2020】杉岡大暉/後編「ただの監督ではない。曺さんに言われると自然と自信が」

2019年09月13日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「曺さんに言われると、自然と自信が湧いてくる」

湘南では充実したプロ生活を送っている。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 2020年に開催される東京五輪。今連載では、本大会での活躍が期待される注目株の生い立ちや夢舞台への想いに迫る。
 
 6回目は、優れた身体能力と豊富なスタミナを活かして、湘南ベルマーレの攻撃的なスタイルの一翼を担う杉岡大暉が登場。
 
 市立船橋高から入団した湘南ではルーキーイヤーでレギュラーを奪取する。プロ2年目の昨季にはルヴァンカップ決勝で豪快なミドルシュートを叩き込み、チームにタイトルをもたらす活躍。そして今季はA代表に初選出されるなど、順調にキャリアを積んでいる。ひたむきにサッカーと向き合う姿勢は、いかにして育まれたのか――。
 
 後編では、大きな影響を受けた曺貴裁監督への信頼、コパ・アメリカで得た刺激、今後の代表でのビジョンをお届けする。
 
前編はこちら
【連載・東京2020】杉岡大暉/前編「正直もう戻りたくない高校生活。入学当初に抱えていたコンプレックスは…」
  
中編はこちら
【連載・東京2020】杉岡大暉/中編「"超高校級"DFが、プロに入って味わった困難」

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――新しい可能性を見出してくれた曺貴裁監督は、どんな存在?
「湘南の雰囲気を作ったのは曺さんだし、本当にすごいです。僕が少しでも周りに遠慮している姿を見せれば叱られる。そういう環境を作ってくれるし、すごく大きな影響を受けました。技術的な部分も厳しく教えてもらいました。いつも満足せずにやってこられたのは曺さんのおかげです。なんでしょう。ただのサッカーの監督というだけではなく、本当に先生のような感じです」
 
――神谷優太選手(湘南から愛媛にレンタル中)も「曺さんの話は自然と心に入ってくる」と言っていました。
「それは僕も感じます。自分でも気付いていないことを曺さんはなぜか気付くんですよね。それで的確に指摘してくれる」
 
――具体的に指摘されたのは?
「できないことを指摘してくれるのは当たり前なんですけど、気持ちよくプレーさせてくれるんです。例えば、あまり自信がなかったプレーをしていると、『お前、自信がなさそうに見えるけど、できてるぞ。あまり気にするな』って声をかけてくれる。曺さんにそう言われると、自然と自信が湧いてくるんですよ」
 

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