混迷を極めるブンデス2部の昇格争い。名門ハンブルクが勝ち抜くには、酒井高徳が必要だ。【現地発】

2019年05月03日 中野吉之伴

首位のケルンは残り3節で監督交代を決めた

DFBポカール準決勝、ウニオン・ベルリン戦でベンチスタートとなった酒井高徳。監督は「戦術上の理由」と説明したが…。 (C)Getty Images

 ブンデス2部リーグで、昇格争いの行方が読めなくなっている。

 昨シーズン1部からの降格クラブであるケルンとハンブルクは1年での1部復帰を狙い、可能な限りの戦力を残して今季に挑んでいる。

 ドイツメディア『TRANSFERMARKT』の市場価値ランキングによると、ケルンの元ドイツ代表ヨナス・ヘクターが1250万ユーロ(約16億2500万円)でトップ。2位以下はケルンのアントニー・モデステ(900万ユーロ=約11億7000万円)、ハンブルクのドグラス・サントス(750万ユーロ=約9億7500万円)が続き、実に20位までのうち18選手がケルンとハンブルクの選手が占めており、抱えている選手層が他クラブと圧倒的に違う。

前半戦はハンブルクが勝ち点37で1位、ケルンが36で2位という狙い通りの順位で折り返すことに成功したのも世間的には当然のこととみられていた。

 ところが後半戦に入ると、風向きが変わった。前半戦のように勝ち続けることができなくなったのだ。そしてケルンは、第31節ダルムシュタットに1-2で敗れたあと、監督のマルクス・アンファングを解任した。

 これには多くのファンが驚いた。まだ首位で残りは3試合、2位ハンブルクとの勝ち点差が6もあったのに、だ。しかし代表取締役アルミン・フェーは終盤にきての3試合連続未勝利を重くみたようだ。

 「確かに現状は昇格に向けていい位置につけているが、ここ最近はネガティブな流れだ。自分たちの目標を危険にしないために、変化が必要だと決断した」

 今シーズンの残り試合はU-21監督アンドレ・パブラクが指揮を執る。こうした一連の騒動に対して、DFホルヘ・マレは「監督が出ていかなくなった時はいつでも彼だけのせいではない。みんな自問自答しなければならないし、どんなミスをしてきたか考えなければならない」と、コメント。

 選手それぞれが責任感を持ち、チーム一丸となってまたピッチ上で生き生きとした姿を見せることが肝心だと強調していた。果たしてこの監督交代は昇格、そして来季に向けてどんな影響を及ぼすのだろうか。

 そして、2位のハンブルクはもっと重症だ。直近6試合連続で未勝利。前節は4位ウニオン・ベルリンとの昇格をかけた大事な直接対決だったが、いいところなく0-2で敗れ去り、昇格へ王手をかけるどころか、逆に4位へと滑り落ちてしまった。

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