鹿野淳が“金J”を突撃取材!川崎フロンターレと音楽フェスの相関関係、そしてSHISHAMOとの「理想的な蜜月」とは?

2019年04月25日 白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト)

等々力の飲食はプロ系と地元系のバランスが良い。

鹿野氏の目にはフロンターレと等々力はどう見えたのか? 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 J1リーグを2連覇中の川崎フロンターレは、個性的な飲食売店、そして"SHISHAMO"などアーティストを招いたイベントでも有名だ。そこで4月19日の湘南ベルマーレ戦に音楽ジャーナリストの鹿野淳氏を招き、フロンターレの試合運営&あり方と音楽フェスとの相関関係を語ってもらった。
 
 音楽誌『MUSICA』の発行人であり、音楽フェス『VIVA LA ROCK』(会場はさいたまスーパーアリーナで、今年は5月3~6日の開催)のプロデュースも行う一方、大のサッカー好きであり、グルメとしても知られる鹿野氏の目には、川崎フロンターレと等々力陸上競技場(以下、等々力)はどう見えたのか――。
 
――まずはスタジアム飯について訊かせてください。今日は7つの飲食売店を回りましたが、とくに印象深かったものはありますか?
 
「一番ガツンときたのが、元祖ニュータンタンメン本舗の『まぜタン』かな。いや~もう最高だった。もちろん辛さはあるけど、じわっと汗が出るくらいで、絶妙なんだよね。まさに旨辛だった。川崎のソウルフードって銘打ってあったけど、川崎って色々な人種の方々が住んでいるじゃない。トルコ料理とかアフリカ料理とかも食べると思うんだけど、多様な人種をまとめ上げる味覚って、『辛さ』だったりするんだよね。そういう地域との繋がりって意味でも、サッカースタジアムにはピッタリのご飯だったね」
 
――次点と3位は?
 
「次点はブラジルキッチンの『シュラスコ』だね。とにかく肉のクオリティーが他の肉系のキッチンカー系と比べても素晴らしい。柔らかいしジューシーで。ソーセージのほうも肉汁が垂れたくらいジューシーだし、本当に美味しかった。川崎はブラジル移民が多い街だから、あのクオリティーが出せるのかもね。さっきのまぜタンも、それ自体は韓国料理じゃないけど、コリアンタウンが川崎にはあって、そこは川崎が誇るグルメスポットなわけで、何か辛味に対しての誇りみたいなものをどうしても感じてしまうなあ。そして3位は悩むけど、『かわさき塩ちゃんこ』かな。薄味だから子供から大人までいけるし、ビールを飲んだ後や汗をかいた後にピッタリ。試合の前にも後にも良い感じに腹を満たしてくれると思うな。ケバブやロングポテト、牛スジ煮込み、牛たん炭焼利久のまかない弁当など、他の食事もみんな存在感がありましたね」
 
――例えば『VIVA LA ROCK』と比べて、等々力の飲食売店はどう感じましたか?
 
「音楽フェスやサッカースタジアムの飲食って、実は『美味しければ良い』が絶対ではないんだよね。何万人もの人が来るから、やっぱり回転率が重要になってくる。そうしないと困るのはお客さんで。何十分も並んで、結局試合やライブに遅れたら悲しいでしょ? 回転率はとても重要なんです。それは料理の種類というよりも店側のスキルだから、必然的にプロ店舗が強くなる。その上で、回転率はそこまでじゃないけど、郷土愛をアピールできる地元系店舗も欲しい。その意味で、プロ系と地元系の店舗がほどよいバランスで並んでいる等々力は、理想的なバランスだと思うな。これはウチのフェスが目指しているものと近いね」
 

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