一時代を築いた名手が続々集結! 北河内からJリーグを目ざすFC TIAMO枚方の“覚悟”

2019年04月07日 高村美砂

シーズン前から注目を集めた、異例の「補強」

チーム最年長の元日本代表MF二川。相変わらずのマイペースで「10番」を担う。(C)FC TIAMO

 4月3日、関西サッカーリーグ1部からのJFL入りを目ざすFC TIAMO枚方が、新加入選手発表会見を実施。今シーズンから新監督に就任した辻本茂輝氏以下、新加入選手が顔を揃え、決意を言葉に変えた。

 昨年末から新加入選手が発表されるたびに、SNSを賑わせていたFC TIAMO枚方だが、その理由は言うまでもなく、今シーズンから加入した選手の顔ぶれにある。12選手のうち、J1経験者はMF二川孝広、MF野沢拓也、MF田中英雄、FW岡本英也、GK武田博行の5名。またDF市川恵多、MF小谷健吾、MF曽我大地もJ2やJ3リーグでのプレー経験がある。さらに言えば、チームを率いる辻本監督も、U-20日本代表として1999年のワールドユース選手権に出場し、準優勝を飾った『79年組』の元Jリーガーだ。

 既存の選手12名に彼らを加えた24選手で、JリーグでもJFLでもない、その下のカテゴリーに位置する関西サッカーリーグを戦うのだから、注目を集めるのは当然だろう。

 ではなぜ、このような大型補強に踏み切ったのか。もちろん、直近の目標であるJFL昇格を実現するためだ。事実、2004年のチーム発足から15年目を数える今シーズンのクラブスローガン『覚悟』には、「JFL昇格に向け、一人ひとりが強い覚悟をもって闘います」との決意が込められている。村島孝史代表取締役社長も、会見に先立って行なわれた地元・枚方市との連携協力協定締結に際し、はっきりと口にしている。

「監督をはじめ、経験のある選手、伸びしろのある選手を補強できました。スローガンにもある『覚悟』を持ち、JFL昇格を必ず実現できるように行動していきたいと思っています」(村島氏)

 その言葉にも滲み出ている通り、今回の補強は、関西サッカーリーグ1部での4度目のチャレンジを前に、あらためてJFL昇格への覚悟を示す第一歩だったと言える。

 
 これに対し、24選手の先頭に立つ辻本監督も、1週間後に迫ったリーグ開幕を前に、チーム作りへの手応えを口にする。

「1月下旬に新シーズンがスタートしましたが、開幕まで約3か月の準備期間があったので、いきなりペースを上げることはせず、少しずつチーム内のコミュニケーションを深め、狙いとしていることを選手に伝えてきました。と同時に、それと並行して、練習試合を6~7試合戦い、徐々に各選手の出場時間を増やしながらコンディションを整えてきました。そのなかでは、ここ2~3週間で『これで、開幕に向かえるな』という手応えも得ています。Jクラブとの練習試合では選手が自信を得た試合もあったはずなので、あとは来週の開幕まで、怪我く進められればと思っています」

次ページ経験豊富なキャリアを備える選手たちが放つ「存在感」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事