苦しむジェフは蘇れるのか。GMが明かす指揮官交代の理由と江尻新監督が目指すスタイル

2019年03月20日 石田達也

4試合未勝利でエスナイデル監督の解任を決断

新指揮官に就任した江尻監督。19日には記者たちの質問に答えた。写真:石田達也

 それは突然のことだった。
 
 3月17日に行なわれた4節の水戸戦を1-1で引き分け、4試合を戦って未勝利(2分2敗)、21位に位置する千葉は、その日にフアン・エスナイデル監督の解任を発表。翌18日には江尻篤彦コーチの監督昇格を決めた。
 
 そして19日には急遽、高橋悠太GMと江尻篤彦新監督の会見が行なわれた。
 
 この2年、クラブは積極的でアグレッシブなスタイルを築こうと、エスナイデル監督に指揮を任せ、今季も体制を継続してきた。しかし、高橋GMは「勝点の部分で結果を出さなければいけないシーズンであり、昨年末に(エスナイデル)監督とは(結果への)共通理解を図っていました。ただこの4節で勝点が2ポイントしか取れていないことを踏まえての決断です。クラブとしては昇格が目標であり、昇格をする上で、どのタイミングでというのも当然ありましたが、早いタイミングで代え、抱えている問題を解決することに出来る限りの時間を費やしたいということで、この4節での監督交代を決断しました」と説明する。
 
 また一連の流れは場当たり的なものではなく、3節の山口戦後(2-5で敗戦)にエスナイデル監督と話し合いの場を持ち、「水戸戦は絶対に勝つこと」が留任の条件のひとつと確認したという。それは常に結果が求められるプロの世界だからこその決定事項であった。
 
 加えて高橋GMは、江尻監督に代行ではなく、残りの38試合へ正式な指揮権を任せた理由について「(エスナイデル体制の)良かった部分を理解し、かつ直さなければいけない部分を冷静に分析できることを考えると、(チームの)変化を見てきた人に託さなければいけないと感じました。(今のスタイルに)選手も手応えを持っていて、そこを一からガラっと変える考えはありませんでした。エスナイデル監督と真剣に向き合っていた人だからこそ、代行という形ではなく正式な監督という形でお願いをしました」と語った。
 
 ここまでの2年で積み上げてきたものを無駄にしないためにも、「積極的に主導権を握り攻撃にも守備にも自分たちから仕掛けていくスタイル」と「プロとして自覚を持って闘うメンタリティー」の継続をクラブとして選択したのだ。
 

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