三好康児が思い描く東京五輪へのビジョン…横浜入りした2019年の抱負を語る

2019年01月19日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

チームの成績に対する責任感が出てきた。そこが1番の変化

新シーズンの始動を前にインタビューに応えてくれた三好。2018年シーズンの振り返りと、2019年の抱負を語った。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 その表情には充実感と悔しさが入り混じっているようだった。
 
 三好康児は自己最多の記録を残した2018年シーズンに、たしかな手応えを感じていた。15年に川崎U-18からトップチームに昇格後、満足いくほどの出場機会を得られなかった。だからこそリーグチャンピオンの川崎を離れ、札幌での武者修行を決めた。この決断は間違っていなかっただろう。名将ペトロヴィッチ監督の下でひと皮剥け、自己最多のリーグ26試合・3得点。北の大地で小さくない自信を掴んだのだ。
 
 一方で悔しさを滲ませたのは、向上心の高さゆえなのかもしれない。シーズンを通して試合に出続けることで、新たな課題が見えたからだ。ただ不満が残った分、今季への覚悟も相当に強い。
 
 18年12月28日、横浜へのレンタル移籍を発表した。札幌での武者修行で逞しさを増した三好にとって、今冬の選択が本格ブレイクのきっかけとなるかもしれない。新シーズンの始動前、常に進化を求める若きアタッカーに話を訊いた。
 
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――2018年は期限付き移籍した札幌でリーグ26試合・3得点と活躍し、U-21日本代表にもコンスタントに招集されました。振り返ってください。
 
「なにより年間を通して試合に出られたのは嬉しかったです。チームでも代表でも出番が増えて、今までのキャリアで最も忙しい1年間でした。ただ課題も見つかったので、100㌫満足かと言えば、そうではないです」
 
――課題とは?
 
「連戦のなかでパフォーマンスを維持することや結果を出し続けることです。次々に来る試合をこなしながら、その難しさを実感していました」
 
――ただ逆に、それは試合に出続けたからこそ気づけたものですね。
 
「そのとおりです。新たな課題を見つけたいがために札幌に加入したので、その点で移籍して良かったです」
 
――出番が増えて成長した部分は?
 
「あまり多くの試合に出られなかった川崎では、ピッチに立った時に自分のことだけを考えていました。得点やアシストをしてどれだけ注目されたり、いかにまた監督に使ってもらえるようにアピールするかだったり、そういうことを気にしていたんです。でも昨年はミシャ(ペトロヴィッチ監督)の下で、チームがどれだけ良い結果を残せるかをより強く意識するようになりました。もちろんこれまでのように自分自身にも結果は求めていましたが、今までなかったチームの成績に対する責任感が出てきた。そこが1番の変化かなと」
 
――ペトロヴィッチ監督に言われて印象に残っていることは?
 
「やはりメンタリティについてですね。札幌は今まで昇格と降格を繰り返してきて、勝ち続けることに慣れていなかったチーム。だけど、ミシャからは『どんな相手でも自分たちのほうが上回っている。自信を持ってやろう』と日々言われていましたし、川崎から来た僕も『堂々とやっていい』と声をかけてもらっていました。そういう勝気な姿勢をみんなが持っていたからこそ、上位にいけたはずです」
 
――札幌からすれば、4位は大躍進です。
 
「僕は今まで札幌にいなかったですが、クラブ史上最高順位は嬉しかったですね。そこに少なからず貢献できたのは良かったです」
 
――立役者のひとりとなれて、手応えを掴めたのでは?
 
「接戦をモノにしてきたチームで勝負強さなども学べたし、やはり自信につながりました」

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