レアンドロ・ダミアンとは何者か。スラム上がりで怪我に泣いた万能FW、川崎との相性は?

2018年12月19日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

わずかなギャラでストリートサッカーの助っ人を。

アマチュアリーグやストリートサッカーで腕を磨いたL・ダミアンは、2009年に入団したインテルナシオナウで台頭した。(C)REUTERS/AFLO

 川崎フロンターレが12月14日に獲得を発表したのが、元ブラジル代表FWのレアンドロ・ダミアンだ。契約期間は2019年2月2日から2020年1月1日までの1年間で、保有権を持っていたサントス(過去1年半はレンタルでインテルナシオナウに所属)との契約は今年いっぱいで切れるため、移籍金ゼロのフリートランスファーだった。

 このストライカーは、1989年7月22日生まれの現在29歳。フルネームはレアンドロ・ダミアン・ダ・シウバ・ドス・サントスと、ブラジル人の例に漏れずかなり長い。

 生まれたのはパラナ州だが、間もなくサンパウロ州の貧困街へ。ビッグクラブの下部組織ではなく、地元のアマチュアリーグで腕を磨き、1500円程度のギャラでスラム街のストリートサッカーの助っ人を務めていたという逸話を持つ。

 ようやくプロクラブと契約したのは17歳の時。アトレチコ・デ・イビラマという無名クラブに引き抜かれ、レンタルで3クラブを渡り歩いて結果を残す。そして19歳だった2009年に名門インテルナシオナウへ移籍。ここでストライカーとしての才能が開花し、コパ・リベルタドーレス優勝やリオグランデ・ド・スル州リーグ3連覇などに貢献する。

 ブラジル代表にデビューしたのも、インテルナシオナウ時代の2011年3月。スコットランドとの親善試合だった。翌12年に入ると当時のマノ・メネゼス監督の信頼を掴み、CFのレギュラー核にまで成長を遂げた。

 同年夏のロンドン五輪では背番号9を纏うCFとして、ネイマール、オスカール、フッキと豪華攻撃陣を形成。同大会のセレソンはマルセロやチアゴ・シウバもオーバーエージで参戦していた最強軍団で、その中でL・ダミアンはエースとして活躍。5試合で6ゴールを挙げて得点王となった。決勝ではメキシコに惜敗したが、その名を一気に世界中に轟かす大会となった。

 当時はブラジル代表ではアレシャンドレ・パトと並ぶ次期エース候補として期待され、ミランをはじめチェルシー、ナポリ、トッテナムなど欧州のビッグクラブが獲得に乗り出すなど移籍市場を賑わす人気銘柄のひとりでもあった。

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