【都並敏史のリーガ見聞録|第4回】注目しているのはレバンテ。パコ・ロペス監督のやり方は本当に勉強になるんです!

2018年12月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

アトレティコはCLを視野に入れた戦い方に。

都並敏史氏が今シーズンのリーガ前半戦を振り返る。 (C)SOCCER DIGEST

 ラ・リーガの現状を、リーガ解説のスペシャリストに訊くインタビューシリーズ『リーガ見聞録』。その第4回には、元サッカー日本代表の都並敏史氏が登場! 今シーズン、上位が混戦となっているリーガの前半戦を振り返ってもらった。
 
―――◆◇――◇◆―――
 
――ここまでの戦いを振り返って、今シーズンのリーガにはどんな印象がありますか?
 
 非常に混戦ですよね。およそ半分の9チームで新監督を迎えるなか、昨シーズンに下位のチームをしっかりと勝たせてきた実績のある指揮官が中位のチームを率いて、しかもそのだれもが戦術的に自分の色を持っている。彼らがどのくらいやってくれるのか楽しみにしていたので、ここまでは期待どおりって感じです。すごく見応えのあるシーズンになっていますよね。


――これほどの混戦は、リーガとしては珍しいですよね?
 
 そうですね、マドリーがあのような感じでバタバタしてしまったのもあるし、バルセロナも何度か取りこぼしがありました。メッシが骨折したりといったアクシデントもありましたしね。まあ、このあと徐々に安定感が生まれてくるのかなとは思っていますが。
 
 アトレティコにしても、今年はスタイルを少し変えて、いままでのシメオネの堅守速攻から、中盤にロドリを入れて程良くポゼッションを取り入れたスタイルに変わっています。おそらくあれは、チャンピオンズ・リーグを視野に入れた戦い方だと思うんですよ。
 
 それがシーズンの最初のほうでは上手くいかず、中心選手のグリエーズマンだとか、ジエゴ・コスタがまだフィットしきれていなかったこともあって出遅れていましたが、段々良くなってきました。ジエゴ・コスタは怪我をしてしまいましたけど、カリニッチが良い感じでハマればおもしろくなりそうな予感はあります。注目のチームではありますね。


――ほかに注目しているチームはどこですか?
 
 昨シーズンのリーガで、唯一バルセロナに勝ったレバンテですね。パコ・ロペス監督のやり方は非常に勉強になるし、自分もまた監督をやり始めるので、いろいろ学ばせてもらっている監督のひとりです。
 
 それほどいい選手をたくさん抱えているわけではないので、基本的にはしっかり守ってカウンターといったやり方なんですけど、ホセ・ルイス・モラレスというめちゃくちゃ速くて上手い選手がいるので、彼をどう活かすかという感じのサッカーですね。
 
 あまり前に出てこない相手にはポゼッションもできますし、サイドからドリブルでカットインしていくようなスタイルもしっかり持っています。とにかく、チームが戦術的な迷いがなくやっているのは間違いないですね。レバンテがいま7位、8位あたりにいるっていうのは凄いことだと思いますよ。15位でフィニッシュした昨シーズンを考えたら、普通あり得ないですから。

次ページFW陣が爆発すればバレンシアは浮上する。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事