英誌の熟練記者が指南する「中島翔哉がプレミアリーグで輝くための3か条」

2018年12月13日 マイケル・プラストウ

もしウルブスなら、非の打ちどころがない理想的な新天地

はたして中島はイングランドへ針路をとるのか。プラストウ記者はウルブスとのマッチングに太鼓判を押す。(C)Getty Images

 アジアカップ2019に臨む日本代表メンバー23名が発表された。ほぼ予想通りの面々となったが、若き森保ジャパンがアジアの列強を向こうに回してどんなパフォーマンスを披露し、栄冠を勝ち取るのか。年明け早々、見所満載の実に楽しみなビッグトーナメントである。

 そんななか、にわかにヨーロッパの移籍市場を賑わせているのが、日本代表の新10番・中島翔哉の移籍話だ。もちろん公式に発表されたわけではないが、彼がプレミアリーグのウォルバーハンプトン・ワンダラーズに入団するというニュースは、かなり確度が高いもののようだ。個人的にはとても素晴らしい、理想的な新天地だと考えている。

 わたしは以前このコラムで、同じくプレミアのマンチェスター・シティ行きが取り沙汰されている堂安律については、やや懐疑的なスタンスを示した。あれだけの豪華な陣容を整えたビッグクラブに、20歳の若さでいきなり参戦するのはリスキーであると。だからこそレギュラーで常時出場できるクラブでもう少し鍛錬を重ね、そののちに飛躍を求めてもいいのではないかと記した。

 
 一方で、中島に関しては23歳という年齢を考えてもステップアップ移籍はグッドタイミングで、なによりウルブスというチョイスに非の打ちどころがない。

 ウルブスは1950年代に3度リーグを制した伝統あるクラブだ。長きに渡り低迷が続いていたが、昨シーズンにチャンピオンシップ(2部)で優勝を飾って、6年ぶりにプレミア昇格を果たした。巨額の資本を得て急激に力を付けており、2018-19シーズンはここまで6勝4分け6敗の健闘で、10位と好位置に付けている。陣容や内容からして降格の危険性はないように思われ、むしろうまく強化がハマれば、数年後のチャンピオンズ・リーグ出場も夢ではないだろう。きわめて期待値の高いチームで、面白いタームに入ってきたと言える。

 また、プレミアのなかでは比較的若いチームだ。開幕時のスタメン平均年齢は24歳と8か月で、これはリーグ最年少だった。明らかな成長曲線を描いている若き中堅チームに、23歳の中島が飛び込もうとしているのだ。滅多にないサクセスストーリーのメインキャストにだってなり得る、そんな夢さえ膨らむチャレンジとなるだろう。

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