浦和GMが語る「オリヴェイラ監督の続投理由」と「補強ポジション」は?

2018年12月03日 佐藤亮太

10月下旬の2試合で続投を決断させる

来季の続投が決まったO・オリヴェイラ監督。シーズン開始から指揮を執る来季はいかなるチームを作り上げるのか。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

「ここまでよく順位を上げてくれたよ」。約10年ぶりの現場復帰となった浦和レッズ 中村修三GMは語った。これはほかならぬオズワルド・オリヴェイラ監督への賛辞と信頼の言葉だ。

 堀孝史監督、大槻毅暫定監督が挙げたリーグ3勝3分け3敗から始まったが、終わってみれば14勝9分け11敗、勝点51、順位は5位。天皇杯は準決勝まで勝ち上がり、至上命題であるACL出場の可能性を残している。曰く、名将。曰く、モチベーター。曰く、リアリスト。オリヴェイラ監督の手腕に間違いはなかった。

 とはいえ、就任当初は長年、鹿島アントラーズで指揮を執っていたことから浦和のカラーに合うのか懐疑的に見る向きもあったが、単なる杞憂だった。指揮官はじっくりとチーム作りを進めた。

 選手の特徴を見極め、ブラジル流のフィジカルトレーニングでみっちり鍛え、90分間、戦い切るためのインテンシティを上げた。
「シーズン途中、急場で引き受けてくれたなか、チームはキャンプで立ち直った」と中村GMが振り返るように、リーグ中断期間中の6月27日から静岡・J-STEPでの合宿はフィジカルメニューとともに戦術に本格着手。積極的守備からのカウンターを落とし込み、方向性を示した。

 布陣は自身が得意とする4バックではなく、チームの現状に即し、一貫して3バックを採用した点はいかに指揮官が現実主義者であるかが窺える。

 中断明けの夏の連戦は連勝がない分、負けないチームになり、徐々にだが、順位は上がった。シーズンは秋を迎え、佳境となり川崎、広島が独走。19年のACLプレーオフ出場圏内である3位以内が厳しくなった。一部ではACL出場を決めなければ、オリヴェイラ監督の続投はない、そんな見方もあった。
 
 そうしたなか、11月25日にクラブからオリヴェイラ監督の来季続投のリリースが発表された。
この決定だが、実は中村GMは10月下旬の時点で決めていた。
「あの試合でハッキリした」と中村GMが続投を決めた試合はふたつ。10月20日の30節・鹿島戦と同24日の天皇杯準々決勝・サガン鳥栖戦だ。

 公式戦6連敗中の鹿島にホームで3-1の逆転勝利。さらに今年リーグで1敗1分と勝てなかった鳥栖に2-0の完封勝利。怪我人続出で台所事情が苦しいなか、結果と内容で圧倒するとともに、チームマネージメントを高く評価した上での続投となった。「来年は(オリヴェイラ監督が)シーズン初めからチーム作りができるので、とても楽しみ」と話す中村GMが手腕を振るうのが補強だ。
 

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