【横浜】17歳・久保建英は戦力として計算してもいいのか?

2018年08月23日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

巧みなボールタッチで敵DFをかわすプレーも

天皇杯の仙台戦で横浜デビューを飾った久保。いくつかの課題は見えたが、まずまずのパフォーマンスだった。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 パスを出した後のアクションが少ない。相手を背負ってボールを受けた時にパワー不足を露呈。後半の途中から体力面でトーンダウンする……。
 
 8月16日に、久保建英のFC東京から横浜への期限付き移籍が発表されると、3日後のJ1・23節の鹿島戦でベンチ入り。出場のチャンスはなかったが、さらに3日後の天皇杯・4回戦の仙台戦で、久保は待望の新天地デビューを飾った。
 
 3-4-2-1の左シャドーで先発出場。だが、試合は2-3と敗れ、試合後には久保も肩を落とした。
 
 冒頭で記したように、いくつかの課題が見えた。わずかなステップで相手のギャップを突いてパスを要求するも、ボールが出てこない場面が目についた。周囲との連係もこれから深めていかなければならないが、それでも、久保は小さくない可能性を示したと思う。
 
 たしかに本人が思うようにパスは届かなかったかもしれないが、このあたりの呼吸が合ってくれば、攻撃のテンポアップが実現するはず。受けた後の判断も決して遅くないし、前向きの状態でキープできれば、かなりの確率で正確な縦パスを配給していた。
 
 中央の狭いスペースでも、前を走るすぐ近くの味方の足もとにピタリとつけるショートパスを通してみせる。巧みなボールタッチで敵DFをかわすプレーもあったが、現状は「出し手」として機能している部分が多い。もちろん、その質は高いし、独特のリズムがあり、攻撃に効果的なアクセントをもたらせる存在に十分なりえるだろう。あとは自ら仕掛ける回数を増やし、素早い切り替えで守備のタスクもこなせるようになれば、レギュラー奪取も現実的だ。

【天皇杯PHOTO】横浜 2-3 仙台|久保建英が新天地で先発デビューしアシストを記録するが初勝利ならず!

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