市立船橋、青森山田などが早期敗退した今夏のインターハイをJクラブのスカウトはどう見たのか

2018年08月23日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

「勝つべきチームが上位に来ていない。夏の大会は難しいなと感じた」

大車輪の働きを見せた山梨学院の宮崎(右)。チームを初優勝に導く働きぶりは高く評価された。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 8月7日から13日までインターハイが三重県で行なわれた。今大会は序盤から波乱の連続。青森山田(青森)、市立船橋(千葉②)、前橋育英(群馬)といった名門校が2回戦で敗退し、九州の名門・東福岡(福岡)も3回戦で姿を消した。

 東福岡以外は組み合わせに恵まれなかった側面もある。青森山田はベスト4に入った昌平(埼玉①)、市立船橋は初優勝を果たした山梨学院(山梨)、前橋育英は優勝候補の一角・大津(熊本)に敗れているからだ。

 そうした今大会には、Jクラブのスカウトも大勢詰めかけていた。準優勝を収めた桐光学園(神奈川②)の2年生10番・西川潤といった逸材たちに目を光らせ、炎天下で戦う選手たちをくまなくチェック。各クラブの目利きたちは、今夏のビックトーナメントをどのように見たのだろうか。
 
 あるJクラブのスカウトに話を聞くと、「勝つべきチームが上位に来ていない。夏の大会は難しいなと感じた」としつつも、「Jの下部組織と高体連は一概に比較できていないけど、それぞれの良さがあるなと改めて思った」と私見を述べた。

 ハードワークの部分や球際で身体を張る守備。戦う姿勢を前面に押し出す高体連の特長が、より際立つ大会だったというわけだ。
 
 そのなかで勝ち上がったチームについては、「クーリングブレイクや飲水タイムを上手く使ったチームが勝ち上がったと思う。そこで流れを変えられるか、あるいは気持ちを高められるか。そこの差が勝敗に直結した」と感想を語った。
 
 一方で選手個人については、昌平の原田虹輝(3年)や山梨学院の宮崎純真(3年)など、チームを上位に導いた役者に好印象を抱いたようだ。

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