名古屋、反攻へのキーマンは「風間スタイル」をよく知る技巧派センターバックだ

2018年05月08日 竹中玲央奈

「ここで勝てたらベストだった」と悔やんだ横浜戦

12節のC大阪戦で復帰した新井。連敗中だったチームに勝点をもたらしている。(C) J.LEAGUE PHOTOS

 試合終了後、新井一耀は対戦相手のゴール裏へ行き深々と頭を下げ、それに対して横浜F・マリノスのサポーターは大きな拍手を送った。

「絶対にマリノスとの試合には間に合わせたい」

 昨年9月に負ってしまった左膝前十字靭帯断裂という大怪我。そのリハビリの最中にあった今年3月、彼はそう強く口にしていた。ギリギリ間に合うかどうかのラインであったが、結果的に1つ前のセレッソ大阪戦で復帰を果たす。"ぶっつけ本番の古巣戦"を免れることができた。
 
 この一戦に対して並々ならぬ決意を示していたのは、横浜時代には叶わなかったピッチで躍動する姿を披露したいという思いがあったからだろう。もちろんそこに名古屋の勝利を伴わせたかったが、それだけは実現できなかった。残留争いに苦しむ両チームにとって、文字通りの痛み分けである。

「ここで勝てたらベストだった」と試合後に語った新井の表情からは、古巣対戦に間に合った喜びよりも、勝利を逃した悔しさのほうが大きいように見えた。
 

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