【CL ローマ×リバプール|採点&寸評】試合に勝って勝負に敗れたローマ…MOMは正確なプレーが光った左SBに

2018年05月03日 内藤秀明・井川洋一

ローマ――リバプールに初黒星をつけるも。

【警告】ローマ=フロレンツィ(76分)、マノラス(84分) リバプール=ロブレン(44分)、ロバートソン(84分)、ソランキ(90分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】コラロフ(ローマ)

[チャンピオンズ・リーグ 準決勝第2レグ]ローマ 4-2 リバプール/5月2日/オリンピコ

【ローマ|採点・寸評】
チーム 7

今季2度目の奇跡を信じて、序盤から打って出たが、ナインゴランのパスミスから先制を許す厳しいスタートに。すぐにオウンゴールで追いつくも、相手のCKをクリアしようとしたゼコがファン・ダイクに寄せられてヘディングが思わぬところに落ち、ヴァイナルダムに決められてリードされる。それでも後半にエル・シャーラウィのカットインからのシュートのこぼれ球をゼコが決めて同点。終盤にはナインゴランが強烈なミドルとPKを叩き込み序盤のミスを帳消しにするが、直後に試合終了の笛が吹かれた。一体感のある闘技場のような本拠地で最後まで戦い抜き、リバプールに今大会初の黒星をつけたが、84年のチャンピオンズ・カップ(CLの前身)決勝の雪辱は果たせなかった。

[GK]
1 アリソン 6.5

先制点はノーチャンス、2失点目もGKの責任は少なかった。サラーの際どい一撃、マネの近距離からのタップイン、フィルミーノのシュートをセーブし、ハイボールにも的確に対処。差し引きでややプラスとしてもいいはず。

[DF]
☆MAN OF THE MATCH
11 アレクサンダル・コラロフ 7.5

左サイドの司令塔。つねに落ち着いて効果的に局面を進め、左足からのクロスやセットプレーは際どいシーンを演出した。カットインからの横パスでナインゴランのゴールをお膳立てし、PKにつながるロングフィードも正確無比。その左足のキック精度は、同じく11番のDFだった同胞のレジェンド、シニサ・ミハイロビッチにも劣らない。ディフェンスでは、対面するサラーにうまく対応した。

20 フェデリコ・ファシオ 6.5
研ぎ澄まされた集中力と予測力で速い相手にも冷静に対処し、安心感を与えた。エアバトルとデュエルの強さも相変わらず。鋭いインターセプトから自ら持ち上がってパスを通すことも。

24 アレッサンドロ・フロレンツィ 6.5
走りながら巧みにボールを収め、高精度の長いクロスで1点目の引き金となり、鋭いミドルで積極的にゴールも狙った。守備のシーンでは後方から上がってくるロバートソンに手を焼いたが、試合終了まで気持ちのこもったプレーを続けた。

44 コスタス・マノラス 7.5
良いところのなかった第1レグから一転、やはりこのギリシャ代表はホームで勇敢になる。ハードなチャージとスピードと鋭い読みを生かしたカバーリング、そして空中戦でも群を抜く強さを披露。強くて正確なパスで後方からのビルドアップでも貢献した。
 
[MF]
4 ラジャ・ナインゴラン 6.5

序盤の致命的なミスに頭を抱えたが、自信を失わずに同点ゴールの起点となり、終盤には驚愕のミドルと中央への強烈なPKで二度ネットを揺らして挽回。ディフェンスの際には懸命に戻り、身体を当ててボールを奪い返した。

7 ロレンツォ・ペッレグリーニ 5.5(53分OUT)
精力的に動いてボールを引き出し、左右にさばいて自身は前に出て行った。ただしやや空回りした印象もあり、志願したFKをふかしたり、クロスに精度が足りなかったり、ミスも散見。

16 ダニエレ・デ・ロッシ 7(69分OUT)
この日の主将は勇敢なローマの将軍、グラディエーターのようにチームを統率した。中盤の中央で敢然とボールを受け、強くて正確なパスワークでリズムを生み出し、ワンタッチの浮き球やピンポイントのロングフィードでチャンスを創出。カルチョを知り尽くした位置取りでカバーリングにも備え、ピンチの際には身体を投げ出してクリアした。
 

次ページローマ――最後まで「夢」を追い続けた。

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