【CL R・マドリー×バイエルン|採点&寸評】ワールドクラスの好ゲーム!MOMは神懸かり的なセーブを連発したナバスに

2018年05月02日 井川洋一

レアル・マドリー――チームを救った最終ラインの奮闘。

【警告】R・マドリー=モドリッチ(62分)、L・バスケス(65分)、ヴァランヌ(88分)、カゼミーロ(89分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】ナバス(R・マドリー)

[チャンピオンズ・リーグ 準決勝第2レグ]レアル・マドリー 2-2 バイエルン/5月1日/サンチャゴ・ベルナベウ

【R・マドリー|採点・寸評】
チーム 6.5

早い時間帯に失点を喫しながらも、そこからずるずるといかなかったのはさすが。むしろ、手痛い先制弾を浴びたことで、集中力が高まったような印象さえあった。勝因は、2試合を通じてバイエルンFW陣をゼロに抑えた最終ラインの奮闘だろう。キャプテンのS・ラモスとヴァランヌのCBコンビはこの日も盤石で、さらに第2レグでは守護神ナバスが大当たり。再三のスーパーセーブでバイエルンの猛攻を食い止めた。また前線では、ベンゼマが今シーズン3度目となる"ダブル"を達成。ホームのファンからブーイングを浴び続けてきた男が、大事な場面で大仕事をやってのけた。週末に控えるクラシコなどまるで眼中にないかのように総力を注ぎ込み、ファイナルへの切符を勝ち取っている。

[GK]
☆MAN OF THE MATCH
1 ケイラー・ナバス 8

集中を切らさず、神経を研ぎ澄ませ、タイムアップの笛が鳴り響くその瞬間まで、勇敢で神懸かり的なセーブを披露しつづけた。32分、ミュラーの反転シュートを冷静にストップすると、その直後のレバンドフスキの左足シュートにも落ち着いて対応。アラバの弾丸ミドルを右手一本で弾いた50分の守備も見事で、74分にはゴール前の混戦から放たれたトリソのシュートも、驚異的な反射神経で防いでいる。2点は失ったものの、この守護神の活躍がなければ、あと1~2点は奪われていたはずだ。

[DF]
4 セルヒオ・ラモス 6.5

ボールから目を背け、身体を投げ出すような恰好でのクリアをキミッヒに拾われ、3分という早い時間に先制点を献上。それでも強靭なメンタルで瞬く間に本調子を取り戻したキャプテンは、従来のパワフルな守備でマドリー・ゴール前に立ちはだかった。

5 ラファエル・ヴァランヌ 7
まさに一戦一戦、自信を深めている印象だ。この日も自慢のスピードを活かしてレバンドフスキに食らいつき、欧州屈指のストライカーとのマッチアップを楽しんでいるかのような余裕をもうかがわせた。70分のキミッヒのクロスも、打点の高いヘッドで難なくクリア。大会を通じて、飛躍的な成長をつづけている。

12 マルセロ 6.5
正確無比のクロスでベンゼマの1点目をアシスト。ゴールには結びつかなかったものの、28分にも左から持ち込んで決定機を作った。対峙するキミッヒとの"攻め合い"は見どころ十分で、前半終了間際には明らかなハンドが主審によって見逃される幸運も。

17 ルーカス・バスケス 5.5
序盤は、カルバハルの代役として出場した右SBで大苦戦。20分の時点でジダン監督が故障明けのナチョにアップを命じたほど、バイエルンの左サイドで縦のコンビを組むリベリとアラバに翻弄された。SBの位置に留まらず、高い位置からボールを奪いにいくプレーが見られるようになってからは、本来の積極性が戻る。
 
[MF]
8 トニ・クロース 6.5

パートナーがカゼミーロではなくコバチッチだったこともあり、いつもよりやや守備的な振る舞いに。43分にはマルセロへのサイドチェンジのキックがオーバーになるなど、パスの名手らしからぬミスも見られたが、中盤でトリソやハメスの執拗なプレスを受けながらも、ボールを落ち着かせるクッション的な役割をハイレベルにこなしてみせた。

10 ルカ・モドリッチ 6.5
リベリとアラバの対応に振り回された前半を経て、後半は少しずつ盛り返す。52分には際どいミドルを撃ち込むなどオフェンス面でも輝きを放ち、守備では豊富な運動量を駆使してプレスに奔走。時間の経過とともにバイエルンの左サイドから勢いを奪っていった。

20 マルコ・アセンシオ 5.5(88分OUT)
怪我のイスコに代わって左のアウトサイドで出場。ボールを押し出すような、力強く、推進力のある縦方向へのドリブルで鋭いカウンターを演出。ただ、イスコのように周囲の選手を活かすプレーはほぼ皆無で、前線のふたりの良さを引き出せたとは言い切れない。

23 マテオ・コバチッチ 6(73分OUT)
カゼミーロに代わってスタメン出場。11分には、中盤右寄りの位置から左のマルセロへ展開し、それがベンゼマの同点ゴールにつながった。パスの散らし役としては機能していたものの、守備では3分のバイエルンの先制のシーンをはじめ、完全に戻り切れずにマーカーをフリーにすることも。

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