【会見全文|前編】ハリル電撃解任、衝撃人事に田嶋会長は「選手たちと監督の信頼関係が...」

2018年04月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

「1%でも2%でもワールドカップで勝つ可能性を追い求めたい」

会見に臨んだ田嶋会長。西野監督以外のスタッフは現在調整しているという。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 4月9日、日本協会は代表チームを率いるヴァイッド・ハリルホジッチ監督の解任と西野朗新監督の就任を発表した。昨夏にワールドカップ出場を決めて以降、苦戦を強いられていた"ハリルジャパン"。3月下旬にのベルギー遠征でも低調なパフォーマンスに終始し、各方面から批判の声が挙がっていたが、ついに日本協会が重い腰を上げた形だ。
 
  今回の人事とロシア・ワールドカップまでの体制について、日本協会の田嶋幸三会長が記者会見を開き、解任の経緯と新指揮官に関する説明をした。

 会見全文の前編は下記の通り。

田嶋会長 みなさんこんにちはJFA会長の田嶋です。本日はご多忙の中、また急なご案内にも関わらず、お集まり頂きありがとうございます。
 
 この度、公益財団法人日本サッカー協会は4月7日付でヴァイッド・ハリルホジッチ監督との契約を解除致しました。ハリルホジッチ監督には前任のアギーレ監督との契約解除の後、非常に短い時間でチームを作り、そして見事にワールドカップ予選を突破することを実行してくれました。

 みなさんご存知のように、彼は非常にまじめな性格で、サッカーに熱い情熱を持ち、誰よりもサッカーを愛し、誰よりも多くの時間を割き、ピッチの上ではその熱い気持ちを選手にぶつけてくれました。デュエル。まさに日本のサッカー界に必要だった言葉を彼が植え付けてくれたと思っています。

 しかしながら、ワールドカップの出場権を掴んだ後、様々な試合を行ない、そして最終的には一昨日の契約解除という結果になってしまいました。試合に勝った負けた、その他のことだけで監督の更迭を決めているわけではありません。みなさんのご意見があったから決めているわけでもありません。選手や様々な方の意見を聞きましたが、それで決めるわけでもありません。

 ただ、マリ戦、ウクライナ戦。この試合の期間と後において、選手たちとの信頼関係が多少薄れてきました。そして、今までの様々なことを総合的に評価して、この結論に至りました。

 私は1パーセントでも2パーセントでもワールドカップで勝つ可能性を追い求めていきたいと考えています。そのために今回の結論に達し、新しい監督には内部からの昇格しかないと考えました。

 この決断を下す上で、ワールドカップまでにたった2か月しか時間がないということを踏まえ、内部でこのチームを一番見てきた方である、西野氏を監督とすることに決定しました。

 西野氏については、皆さんに説明する間でもありませんが、アトランタ・オリンピック、柏レイソル、ガンバ大阪、ACLでの戦い。様々な国際経験を積んで来られました。大会までたった2か月しかありませんが、現在西野氏はスタッフを編成中であります。

 今週木曜日にすべてのスタッフ編成、様々なスケジュールの決定を経て、この場で皆様に記者会見をしたいと考えております。これから新しい体制に移行するわけですが、我々サッカー協会はスムーズに新体制に移行することに全力を尽くします。
 今我々がやらないといけないことは、日本サッカー界が結束し、監督、選手、コーチ陣、スタッフ、関わる人を全力でサポートすることだと思っています。ワールドカップという檜舞台で120パーセントの力を彼らが発揮できるように準備していくことです。これまで日本サッカー界が蓄積してきた英知を結集し、サポートをしていくべきだと考えています。

 スカウティング、コンディショニング、メディカル。時間はありませんが、こういう時に日本人は力を発揮できるものだと信じています。多くのサポーターやファンの皆様にはご心配をお掛けしています。そして、サッカーファミリーの皆さん、スポンサー、パートナーの皆さん。そして、日本代表を支えている報道陣の皆さん。そして、国民の皆さん。多くの皆さんの熱い期待に添えるように、私たちは全面的なサポートを惜しみません。皆様とともに、ロシアのワールドカップへ臨むチームを支えていきます。引き続き、熱い応援を宜しくお願いいたします。

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