知られざる長友佑都の東福岡高時代。同級生が語るその凄さと転機になった国見高戦の活躍 

2018年03月24日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

驚くべき持久力で入学前にトップチームの先輩たちを凌駕した姿に...

23日のマリ戦は1-1の引き分けに終わっただけに、27日のウクライナ戦ではチームを勝利に導く活躍が期待される。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 ロシア・ワールドカップでの活躍が期待される長友佑都(ガラタサライ)。日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督も大きな期待を寄せており、不動の左SBとしてチームに欠かせない人材だ。
 
 23日のマリ戦も定位置でフル出場。長谷部誠がピッチを去ってからはキャプテンマークを託され、改めてチームから信頼されていることを感じさせた。
 
 今でこそ、日本代表や欧州の名門クラブで長きに渡ってプレーをしている長友。明治大入学当初は怪我もあり、なかなか試合に出られず、応援に回って太鼓を叩いていた日々を考えれば、誰もが驚くようなシンデレラストーリーだ。当時の話は長友を語る上で欠かせないエピソードとなっている。しかし、東福岡高時代も多くの困難を乗り越えて、自らの足で地位を確立した事実はあまり知られていない。
 
 そこで現在は日章学園高のGKコーチを務める、元チームメイトの坂本光氏に高校時代の長友について話を聞いた。
 東福岡高でともに主力メンバーとして冬の高校サッカー選手権に出場するなど、長友と3年間苦楽をともにした坂本氏。出会った当初から稀代のSBは、かなりのインパクトがあったと明かす。

 とりわけ、覚えているのが入学式前に新入生が揃って実施したトレーニングだ。雨のため練習メニューが変更され、走りのメニューを消化する日があった。その際、長友はいきなりトップチームの選手を上回るタイムを記録。中学を卒業して間もない小柄な新1年生は、周囲の度肝を抜いた。

 フィールドプレーヤーとは別にGK練習を行なっていた坂本氏は、長友の走りを横目で見ながら「プーマの真っ白のジャージを着ていて、なんかヤンキーみたいだな」と思いつつ、「相当凄いなと思いましたよね」と圧倒的な走力に目を奪われたという。
 
 ただ、それだけの持久力があっても、高校サッカー界屈指の名門校でレギュラーの座を射止めるのは簡単ではない。事実、中盤の底を主戦場としていた長友がトップチームで試合に出る機会はほぼなく、最終学年に入ってもポジションを掴めなかった。

次ページ九州新人戦の国見戦。長友のプレーは今でも坂本氏の記憶に残っている。

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