【現地紙インタビュー】バルサGKテア・シュテーゲン「俺にとって完璧主義と向上心は同義語なのさ」

2017年12月30日 エル・パイス紙

強靭なメンタルがないと務まらない。

バルサのGKにもっとも必要な資質として、テア・シュテーゲンは「強靭なメンタル」を挙げた。(C)Getty Images

 マルク=アンドレ・テア・シュテーゲンは、クラブの広報責任者から指定された時間きっかりにインタビューの場に現われた。冷静なプレースタイルにも相通じる整然とした物腰で、笑顔で「オラ」と挨拶すると、今シーズンのバルセロナの堅守の原動力のひとつである大きな手を差し伸べてきた。

 インタビュー中は時計に目をやったり下を向いたりすることなく、つねにこちらの目を見て、流暢なスペイン語で間を取りながらゆっくりと質問に答えてくれた。その仕草からは、仕事も生活も、何事も完璧をめざす彼の人生観が垣間見えた。

――◆――◆――

――バルサに入団したばかりの頃は、ゴールキーピングよりも足元のテクニックのほうがクローズアップされていたけど、ここにきてその現象が逆転している。これは君にとって良いことなのかな?

「もちろん良いことだ。バルサのゴールキーパーには、高度な足元のテクニックが求められ、俺も最初はその面ばかりが注目された。でも俺はゴールキーパーだ。足元のテクニックに優れているのはもちろんアピールポイントになるけど、ゴールキーピングがしっかりしていることがすべての前提になる」

――自分のお気に入りのプレーは?

「シュートをストップできれば、どんなプレーだって満足さ」

――君特有のテクニックのひとつに、腕をしっかり伸ばして、まるでゴールポストのように力強く敵のシュートを跳ね返すプレーがある。

「身体が自然に反応してああいうプレーになるんだ。一瞬のことで、考えている時間もないしね」

――ゴールキーピング、足元のテクニック、強靭なメンタル。ゴールキーパーにとって一番重要な要素はどれだろう。

「(即答で)強靭なメンタル。とくにバルサのキーパーは、90分間を通して数回程度しかセービングの機会がない試合もざらにある。そんな中でみずからの価値を示すには、高い集中力を保たなくちゃならない。強靭なメンタルがないと務まらないポジションなんだ」

――ゴールを奪われた時にはまずなにを考えるの?

「次のプレーのことを考えるように努めている。起こってしまったことをあれこれ考えても仕方がないし、そんなことでは注意力が削がれてしまう。キーパーが一番やっちゃいけないのは、集中力を低下させてしまうことだからね」
 

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