【現地発】C・ロナウドにも堂々と意見。S・ラモスが「チーム一丸」を呼びかける

2017年11月30日 エル・パイス紙

若手の指南役も果たす兄貴分。

リーガではまだノーゴールのS・ラモスだが、チームに対する貢献度は、2冠を達成した昨季から不変。(C)REUTERS/AFLO

 レアル・マドリーのセルヒオ・ラモスは今シーズン、まだリーガ・エスパニョーラでゴールを決めていない。チャンピオンズ・リーグ(CL)ではホームのAPOEL戦で1得点、スペイン代表としてはいずれもPKで2得点を挙げている。

 S・ラモスと言えば、リスボンで行なわれた2013-14シーズンのCL決勝(アトレティコ・マドリー戦)での、試合を延長に持ち込む93分の劇的な同点ヘッドが印象に残る(試合は4-1でマドリーが勝利)。

 本人は、「だれが決めても同じ」とゴールに対するこだわりを見せていないが、ジネディーヌ・ジダン監督は「ボールが来るところにいつもいる」と、DF離れしたその高い得点力に脱帽する。

 ただ、得点ができていないからと言って、チームへの貢献度が高いことに変わりはない。それどころか、昨シーズンのチーム躍進の大きな要因のひとつと関係者が一様に評価する、百戦錬磨の経験に裏打ちされたリーダーシップは、さらに磨きをかけている印象すらある。

 何か問題や悩みを抱えるチームメイトを目にすれば、すぐさま相談に乗るなど、キャプテンとしての存在感は高まる一方で、チームの間でも「穏やかさや人間的な深みが増してきた」という称賛の声がもっぱらだ。

 テオ・エルナンデズ、ヘスス・バジェホ、ダニ・セバジョス、マルコス・ジョレンテらスペイン人のニューフェイスが大量に加入した今シーズンは、若手の指南役も果たしている。彼らにとってはまさしく頼りがいのある兄貴分といった感じだろう。S・ラモスが持つそうしたチーム内での無類の求心力、リーダーとしての風格とカリスマ性は、クリスチアーノ・ロナウドに欠落している要素でもある。

 11月上旬に、クラブの補強方針を巡ってメディアを通して繰り広げられた舌戦においても、そんなふたりの考え方やキャラクターの違いが露見された。

 騒動の発端は、CLのトッテナム戦に敗れたあとの(1-3)、「ペペ、アルバロ・モラタ、ハメス・ロドリゲスらがいた昨シーズンのチームのほうが戦力的には上。代わりに入ってきた選手は経験が不足している」というC・ロナウドの発言だった。

次ページC・ロナウドの発言を一刀両断。

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