ユリッチ、ケイヒル投入で"怖さ"が増した後半過ぎ。昌子源は何を感じながらプレーしていたのか?

2017年09月02日 清水英斗

やや雲行きが怪しくなったのが、後半の中頃だ。

昌子は周囲と綿密に連係し、無失点勝利に貢献した。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

 ワールドカップ出場を決めたオーストラリア戦。2-0というスコアは、完勝のイメージを与えたかもしれないが、試合内容はそうとも言い切れない。日本にとっても危うい時間帯はあった。
 
 前半はお互いにチャンスに乏しい展開。どちらが先にボロを出すか。41分、隙を見せたのはオーストラリアだった。長友佑都のクロスから、フリーになった浅野拓磨がワンチャンスを確実にゴールへ流し込む。そして1-0でリードした後も、日本は足を止めず、後半もハイプレスをやり続けたことが良かった。そのおかげで、オーストラリアに圧倒的に押し込まれる展開にはならなかった。
 
 しかし、やや雲行きが怪しくなったのが、後半の中頃だ。61分にトミ・ユリッチ、70分にティム・ケイヒルが投入されてから、82分に井手口陽介の追加点が決まるまで。この時間帯において、オーストラリアの攻撃は怖さを備えていた。
 
 この時間帯にディフェンス陣が最後の防波堤となって粘り、乗り切ったのは大きい。センターバックの昌子源は何を感じながらプレーしていたのだろうか。
 
「(吉田)麻也くんとは試合中もずっとしゃべっていました。もちろん、(長友)佑都くんやハセ(長谷部誠)さんとも。決定的なピンチがそれほど無かったのは、その前段階で声をかけて解決できたから、なのかなと思います」
 
 こちらが「追加点が決まる前の時間帯、昌子選手と長友選手の間に飛び出されるシーンが多かった。どんなことを感じていた?」と尋ねると――。
 
「右サイド、7番の選手(マシュー・レッキー)がかなり縦、縦に来て、それを僕自身も感じていました。僕がカバーリングの対応を、もう少しスピーディにできていたら、ピンチは生まれなかったと思います。そういうのもひとつの良い……、まあ勝ったから言えるんですけどね。良い経験って言えるけど、本当にやられてもおかしくなかった。あれも言うたら、声や連係の解決で済むと思うので、これからに向けて、もっと密にやっていく必要があると感じました」

 なぜ、こうした問題が生じたのか。原因はオーストラリアの交代にある。

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