【鈴木啓太×岩政大樹|中編】浦和、鹿島を出て見えたもの――今だから言える本音も告白

2017年06月19日 岩政大樹

岩政氏が高く評価するのは「後ろが見えている」能力。

「代表は選ばれるか選ばれないか、ですから。全然受け身でした」と鈴木氏は言う。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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岩政 鈴木さんのディフェンスは一級品でしたよね。私が初めて日本代表に入った時、紅白戦や練習のなかで、鈴木さんの見えてる範囲の広さを実感したんです。「後ろに相手選手が来るよ」って指示を出すと、抜群に反応が早かった。後ろも見えてたんだと思うのですが?
 
鈴木 ディフェンスの時ですよね。それはあるかもしれません。まあ、オフェンスの時は、後ろなんてまったく見えてませんが(笑)。
 
岩政 そうそう。ディフェンスの時です(笑)。それはどうやって身に付けたんですか? プロの選手でも、後ろのスペースが見えているボランチって本当に少ない。それこそ鹿島でも本田(泰人)さんくらいでしたし、代表でもあまりいないんだなと感じました。
 
鈴木 阿部(勇樹)とかハセ(長谷部誠)も見えるタイプだと思いますが、確かにそれは自分の特長だったのかもしれません。見ていなかったとしても、この辺に入ってきたら嫌だな、という感覚はあった。あとは後ろの選手が良いタイミングでコーチングしてくれるのがすごく大事。そういう指示が出せるセンターバックは少ないかもしれないですね。
 
岩政 ボランチときっちり連係が取れる選手ですよね。
 
鈴木 僕の後ろにくさびを入れられるなと思っていても、別のパスコースを消しておいたほうが良い場面はある。そこでセンターバックが、くさびのパスをケアしてくれてるだろうなと思っていても、来てない時があったりする。特に代表だと時間がないから、呼吸が合う選手じゃないと難しいですね。
 
岩政 代表に関してはどういう考え方でしたか? 私は代表に入りたい気持ちはもちろんありましたが、極端に言えばクラブでずっとプレーできればいいかな、くらいの割り切りも多少は……。鈴木さんはどういうスタンスでした?
 
鈴木 あんまり考えていませんでした。クラブにはずっと居たいと思っていたけど、代表は選ばれるか選ばれないか、ですから。全然受け身でした。当然、選ばれたいし、試合にも出たいと思っていましたけどね。

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