【黄金世代・復刻版】1999 ワールドユース激闘録~銀色の軌跡(後編)

2017年05月08日 サッカーダイジェストWeb編集部

チーム一丸でメンタルマッチを制す!!

アンカーの位置で存在を誇示してきた遠藤が鮮烈ミドルを蹴り込む。写真:ヤナガワゴッー!

【週刊サッカーダイジェスト 1999年5月19日号にて掲載。以下、加筆・修正】

[ラウンド・オブ16:日本 1(5PK4)1 ポルトガル]
 

得点者:日=遠藤(48分)、ポ=M・クラウディオ(80分)
 
出場メンバー:GK南/DF辻本、手島、中田/MF遠藤、酒井、本山、小笠原(98分・播戸)、小野/FW高原、永井(66分・稲本)
【PHOTO】厳選フォトで振り返る1999ワールドユース
 
チーム一丸でメンタルマッチを制す!!
 
 前回、前々回のベスト8を上回る成績が最低ノルマの日本。1989、91年にワールドユース連覇を達成し、95年にも3位に食い込んでいる"育成大国"ポルトガルが、ラウンド・オブ16で立ちはだかった。
 
 前半は互いの中盤のタレントが力を発揮し、一進一退の攻防が展開された。細かいパスワークを持ち味にする両チームは、ミドルゾーンで激しい潰し合う。
 
 そんななか、先制したのは日本だった。48分、永井のパスを受けた遠藤が強烈なスライダー回転のかかったミドルを放ち、懸命に手を伸ばすGKセルジオを見事に破ったのだ。
 
 さらにこの試合でも、日本に幸運が訪れる。72分、ポルトガルは好守を連発していた守護神セルジオが負傷し、プレー続行不可能となる。すでに交代枠を使い切っていたため、ポルトガルは10人となったうえに、MFエステベスを急きょGKに据える状況に。しかし、日本はこのアドバンテージを活かせなかった。
 
 攻勢に転じるどころか闘志を前面に押し出すポルトガルに圧倒され、なんと80分、M・クラウディオにミドルを決められてしまう。明らかにスタミナ切れだったがトルシエ監督は交代枠を使わず、試合は1-1のまま延長戦に突入した。
 
 そこでもひとり多い日本は劣勢を強いられ、延長戦のほとんどの時間帯でポルトガルの攻勢を許した。度重なるピンチをGK南のスーパーセーブとゴールバーに助けられ、なんとかPK戦に持ち込んだ。
 
 ここで抜群の勝負強さを見せたのが南だった。敵の4人目のショットを読み切ってブロック。日本は小野、中田、本山、高原、酒井の5人全員が決め、薄氷を踏む想いでベスト8に駒を進めた。

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