【ブンデス日本人の現地評】ゴールを決めた武藤でさえ……31節は軒並み低評価の厳しい週末に

2017年05月03日 山口裕平

見せ場の少なかった香川、危険なプレーを見せた酒井には酷評…

下位同士の戦いで大敗し、残留争いから抜け出せなかったハンブルク。悪い流れを招いてしまったのがキャプテンとあっては、酷評を受けるのも致し方なしか……。 (C) Getty Images

 ブンデスリーガ第31節は、先週に続いて、日本人選手たちには厳しい週末となった。マインツの武藤がゴールを挙げたものの、彼を含めて全体的に評価は低調だった。
 
 ドルトムントの香川は、ケルン戦(0-0)でリーグ戦2試合ぶりの先発復帰。前半には彼のクロスからオーバメヤンがネットを揺らすシーンがあったが、オフサイドでゴールは認められず。その後はほとんど見せ場がなく、66分で交代となった。
 
『ビルト』紙と『キッカー』誌の採点は、ともにチーム最低タイの4点。地元紙『WAZ』はチーム最低ではなかったものの4点と低く、「ドルトムント攻撃陣のなかでは最も酷く、何度もケルンの守備網に掛かった。65分のビッグチャンスの後、ピッチを後にした」と厳しい寸評を記した。
 
『ルールナハリヒテン』も同じく4点で、寸評では、前半のふたつの決定機演出に触れながらも、全体的な出来の悪さを追求している。
 
「彼の最高のシーンはオーバメヤンへのパスだったが、そのシーンでこの日本人はわずかにオフサイドだったため、ノーゴールだった。16分のロイスへのパスも素晴らしく、ロイスは自らゴールに向かうこともできた」
 
「しかし、その後はほとんど見せ場がなかった。彼のミスは、その非常にムラのあるパフォーマンスを象徴していた」
 
 アウクスブルクとの残留争い直接対決に大敗(0-4)したハンブルクの酒井には、酷評が並んだ。共通するのは、ボールロストについてだ。序盤のこのプレーがあわやというシーンを招き、失点こそ免れたものの、その後の悪い流れに繋がってしまった感はある。
 
 地元紙『ハンブルガー・アーベンドブラット』が「このキャプテンは、愛されない役回りを担っている。彼のボールロストが、アウクスブルクを楽にさせた」と記せば、北部放送局『NDR』、以下のような寸評でボールロストを糾弾した。
 
「彼は試合がローブローで始まらなかったことを、ミッケルに感謝すべきだろう。序盤であまりにも軽いボールロストを犯してしまった。ポジティブなシーンは、032分に危険なクロスを送ったシーンだけだった」
 
『キッカー』の採点は5.5点だったものの、『ビルト』ではGK以外の10選手に6点が付き、酒井については「通常であれば、そのプレーは模範になる。しかし、アウクスブルクでは壊滅的だった。今シーズンは3つのボールロストが失点に直結している」と記した。
 
 なお、アウクスブルクの宇佐美はメンバー外だった。

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