【日本代表】引き分けでもNGなサウジ戦、「本田外し」はアリなのか?

2016年11月15日 佐藤俊

“一芸”があるわけではない本田は、サブでは投入しにくい。

プレッシャーのかかる重要な試合ではベテランの力が必要になる。本田は、その役を担える存在だ。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 いよいよサウアジアラビア戦である。
 
 首位を行くサウアジラビアと日本との勝点差は3。次戦のサウジアラビアに勝てば勝ち点で並び、負ければ差が6に開く。
 
 サウジアラビア戦後の残り5試合を考えるとUAE、サウジアラビアのアウェーゲーム、さらに過去のワールドカップ最終予選で1分3敗と分の悪いオーストラリアとの試合を残している。

 これらの試合は非常に難しくなるだろうし、このサウジアラビア戦を失うと2試合分の勝点をひっくり返すのはもちろん2位内に入るのも難しくなる。

 それゆえサウジアラビア戦は、引き分けさえもNGで絶対に勝たなければならない試合なのだ。
 
 そこで重要になってくるのがスタメンのチョイスであり、本田圭佑の起用だ。現状ではオマーン戦での低調なパフォーマンスから「スタメンから外せ」という厳しい意見が多いようだが、本田はスタメンでいくべきだ。
 
 サウジアラビアは「ホンダ」の名前を当然警戒するだろう。アジアでは特定の選手をリスペクトし、鬼のようなマンマークをつけてくることもある。サウジアラビアはそこまではしないだろうが、「ホンダ」という名前を意識させるだけで日本にはプラスだ。
 
 プレッシャーのかかる重要な試合ではベテランの力が必要になる。ドイツ・ワールドカップ予選でアウェーのシンガポール戦、同点に追い付かれ、引っ繰り返されそうになった。その時、途中出場で力を発揮し、決勝点を決めたのはベテランの藤田俊哉だった。
 
 藤田のようなベテランは何が起きても浮き足立つことなく、冷静に状況を判断してプレーできる。本田は、過去2大会のワールドカップ最終予選を戦っており、ワールドカップでの経験も豊富だ。サウジアラビア戦のような大一番にこそ力を発揮し、仕事をしてくれるはずだ。
 
 また、本田という選手の"特性"もある。本田は特別なスピードやスーパーな技術があるわけではない。ドリブルなど局面を一気に打開するような"一芸"があるわけではないのでサブでは投入しにくい。

次ページ仮に浅野を起用すれば、背後を狙うだけの単純な攻撃になるだろう。

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