「代表だと下手くそになる」アグエロの告白に潜む“アルゼンチンの危機”

2016年11月10日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

1970年大会以来の予選敗退が現実味を帯びている

メッシ不在の予選10節・パラグアイ戦では10番を背負ったアグエロだが、本来の輝きを見せられず、チームも0-1で敗れた。 (C) Getty Images

 ロシア・ワールドカップの南米予選で、アルゼンチン代表が近年にない厳しい状況に置かれている。
 
 10節を消化した現時点で、参加10か国中6位。オセアニア地区1位との大陸間プレーオフに回る5位の座からも転落したのは、ボリビアが選手起用に関するルール違反で勝点を剝奪され(2-0で勝利していたペルー戦と0-0で引き分けたチリ戦が、いずれも0-3の敗戦扱いとなった)、これにより勝点を加算されたチリが5位に浮上したためだが、いずれにしても、1970年以来となる予選敗退が現実味を帯びていることは間違いない。
 
 そんなアルゼンチンが、今予選最大の正念場を迎える。
 
 11月10日にアウェーでブラジル(11節)、同15日にホームでコロンビア(12節)と対戦するのだ。現在予選で首位に立つ宿敵ブラジルはもちろん、4位につけるコロンビアもハメス・ロドリゲスら好タレントを擁する強敵である。仮にここで、万が一にも連敗を喫するようなことがあれば、ロシアの大地がさらに遠く霞むだろう。
 
 不振の原因はいくつか考えられる。とりわけ、大黒柱のリオネル・メッシを故障で欠いたのは大きな誤算だった。エース不在のチームは、8節からの3試合でひとつの勝利も挙げられなかったのだ(2分け1敗)。

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