【現地記者の英国通信】リバプールも好調! クロップこそいまプレミアで最も魅力的な指揮官だ

2016年10月14日 スティーブ・マッケンジー

クロップの情熱は伝染する。

オーバーとも思えるアクションで選手を鼓舞するクロップ。そのアクションがチームに火をつける。 (C) Getty Images

 今シーズンのプレミアリーグは、ジョゼップ・グアルディオラ、ジョゼ・モウリーニョ、アントニオ・コンテという世界トップレベルの指揮官たちが新たに加わり、大きな話題を呼んだ。
 
 しかし、開幕してから最も印象的で、ピッチ内外で魅力的なパフォーマンスをしているのはリバプールのユルゲン・クロップだろう。
 
 2015年の10月に前任のブレンダン・ロジャース(現・セルティック監督)から仕事を引き継いだ。1年目は期待されたほどの結果を残せずにプレミアリーグでは8位に沈み、欧州への切符を掴むことができなかった。
 
「責任は前任者のロジャースの補強にある」と英国メディアの多くは綴ったが、クロップは無冠に終わったシーズンの弁解をするためにロジャースを責めることは、決してしなかった。
 
 クロップは周囲の雑音を振り払い、選手たちをきっちりと評価。誰をチームに残し、起用していくべきなのか見定めていた。今年1月の移籍市場で大きな動きを見せなかったのはそうした背景があるからだろう。そうしたなかでクロップは、若手にチャンスを与えた。これもクラブにとっては好影響をもたらし、現在チームはCL出場圏内の4位と好調をキープしている。
 
 熱血漢クロップのパッションは伝染する。
 
 ゴールを祝う時も彼はまるでピッチに立っているかのように選手と一緒になって激しく、身体いっぱいに喜びを表現する。おそらく選手たちもクロップのためにちょっとした怪我ならば、勇んでピッチに戻るだろう。
 

次ページ目の肥えたリバプールファンも認めたクロップの素質とは?

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事