【バイタルエリアの仕事人】vol.57 デニス・ヒュメット|サッカーはひとつの“言語”。日本への慣れと兄の存在が結果に繋がっている

2025年10月30日 手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

スキルと能力を最大限に表現する場所

ヒュメットにとっての「バイタルエリア」とは。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第57回は、ガンバ大阪のスウェーデン出身FWデニス・ヒュメットだ。

 今年2025年3月にスウェーデンのユールゴーデンからG大阪に完全移籍。来日1年目ながらゴールに直結するプレーでチームに不可欠な存在となりつつある。特に、敵陣の重要な地帯、いわゆる「バイタルエリア」での動きは秀逸である。

 そんなヒュメットにとって、そのエリアとはどのような場所なのか。そして、得点を奪うために何を考え、どのようにプレーしているのか。戦術眼と得点感覚に優れたストライカーに、自身のプレー哲学を深く語ってもらった。

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 ゴールに直結するバイタルエリアは、私にとっても最も得点が生まれやすい場所だと認識しています。攻撃的な選手としては、そこで自分のスキルや能力を最大限に表現するべきですし、リスクを冒してでも得点を狙っていく場所だと思っています。

(ダニエル・)ポヤトス監督から個人的に「こうしてほしい」という特別な指示はあまりありません。ただ毎試合、対戦相手を分析したうえで、どうやって崩していくか、どのようなコンビネーションを使うかといった指示は受けます。そのなかで、自分がどうすれば能力を最大限に表現できるかが重要になります。

 誰もが知る通り、サッカーは団体スポーツで、ひとりではプレーできません。ガンバの攻撃陣との連係を深めるために、日々の練習を大切にしています。ロンドやポゼッションといったトレーニングを通じて、お互いの癖を知り、そこに戦術を落とし込んでいく。そうやって磨き上げたものを、試合という場で試すのです。
 

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