「ボランチできるか?」指揮官に問われた欧州日本人DFは“人生初挑戦”も即答で「できます!」。あらためて垣間見せたフットボールIQの高さ【現地発】

2025年04月25日 中田徹

意外にもリーグ戦出場23試合目にして「初アシスト」

AZで代えの利かない主軸を張る毎熊。監督からも仲間からも厚い信頼を寄せられる。(C)Getty Images

 4月24日のAZ対NAC戦(1-1)で、毎熊晟矢(AZ)がオランダリーグで初めてアシストを記録した。0-1のビハインドで迎えた後半アディショナルタイム7分、右サイドバックのデンソ・カシウスが上げたファーへのクロスを、毎熊が相手DFの死角から打点の高いヘッドで折り返し、ゴール正面で待ち構えていたFWマックス・メールディンクのオーバーヘッド弾を引き出した。
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「負けていたので点を取りに行くしかない場面で、危険なところに入っていきました」

 ヨーロッパリーグでは2ゴール・2アシストを記録したばかりでなく、自身のシュートがGKにセーブされたこぼれ球を味方が押し込むなど、AZのゴールに関与し続けた毎熊だっただけに、リーグ戦出場23試合目での初アシストということに少し驚きを覚える。

「(リーグ戦では)アシストの前だったり、チャンスを作っても最後に入らずアシストが付かないというのが続いていたので、やり続けるしかないと感じてました。ひとつ、(アシストが)付いたのは安心しましたけれど、遅かったなあという風には思います」
 
 膝の負傷から癒えたばかりの毎熊は3日前のKNVBカップ決勝、対ゴー・アヘッド・イーグルス(1-1。PK戦でゴー・アヘッド・イーグルスが優勝)で延長前半4分までプレーしたということもあり、NAC戦ではベンチスタートだった。彼の出番は0-0で迎えた70分、ポジションはボランチだった。

「前日、(マールテン・マルテンス)監督から『前めのポジションで使うかもしれない』と言われました。『前のポジションはやっていたのでできます』と答えたんですけれど、試合に出る直前にいきなり『ボランチはできるか?』と訊かれたので『できます』と答えました。人生初のボランチでしたけれど。もうちょっと相手にとって怖いところにパスを刺したり、侵入したりしたかったんですけれど、相手も(コンパクトな陣形で守って)中を絞っていたので難しかったです」

 KNVBカップ決勝で披露した毎熊のパフォーマンスを振り返ると、マルテンス監督の「前めのポジションで使うかもしれない」「ボランチはできるか?」と毎熊に問いかけたのが理解できる。

次ページ決勝直後、その目には涙が滲んでいるようだった

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