【日本代表】本田圭佑のパス数ランキングから見える、90分間で起きた大きな変化。前半の1位は酒井高徳、後半は…

2016年03月30日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

“日本記録”ワールドカップ予選6試合連続ゴールにつながった香川真司との阿吽の呼吸

切り替えスピードの遅さなど悪い面が見えた一方で、本田の勝負どころを読む力はさすが。多くの決定機に絡み続けた。(C) SOCCER DIGEST

 本田圭佑がワールドカップ予選での日本代表の新記録となる6試合連続ゴールを決めた。86分に香川真司からのクロスにヘッドで合わせて奪った日本の3点目。試合を決定づける一撃だった。

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 この日の本田には、良さと悪さの両面が見えた。切り替えのスピードが遅く、オフ・ザ・ボールの動きが他の前線の選手と比べて少ない。19分にはベンチのハリルホジッチ監督に呼ばれ、鋭い動きを入れろというニュアンスの指示を受けていた。
 
 一方、際立っていたのが勝負どころを読む力だ。とにかく決定機に絡んだ。前半は、酒井高徳が飛び込んだ二度のチャンスにラストパスを供給し、43分には宇佐美貴史→本田→香川とロングパスとクロスで崩した。
 
 後半は、49分に本田→香川→宇佐美とつないだ場面、61分の森重真人からのクロスからの本田のヘッド、66分にはペナルティエリア内でつないで香川のボレー弾を演出、そして86分には自身のゴール、90分には香川のトドメの一撃にも絡む――などなど。運動量は少なくても、ビッグチャンスに必ずと言っていいほど絡んでいた。
 
 さて、本田がパスを受けた数と出した数を、手元で数えてみた(あくまで手元で集計した速報的な値なので参考までに)。
 
 その本田のデータから、前後半で、日本の戦い方が明らかに変わったことが見えてくるのだ。
 
【本田圭佑のパス数ランキング】
▽前半45分間のパス数合計(本田がパスを受けた回数/本田からパスを出した回数)
1位/酒井高徳/14回(9回/5回)
2位/宇佐美貴史/7回(5回/2回)
3位/岡崎慎司/5回(2回/3回)
3位/香川真司/5回(2回/3回
 
▽後半45分間のパス数合計(パスを受けた回数/出した回数の合計)
1位/香川真司/18回(9回/9回)
2位/長谷部誠/9回(6回/3回)
3位/岡崎慎司/6回(4回/2回)
 
 相手がマンマーク気味で守備を固め、日本が流れを掴めずにいた試合開始からの15分間、本田がボールに触ったのはわずか9回。そのうち4本しか、味方につなげなかった。周囲のミスも、本田のミスパスも目立った。
 
 しかし、そのあたりの時間帯から右サイドに開いていた本田が中央寄りにポジションを取り(香川とポジションチェンジも繰り返す)、徐々にパスを受ける回数が増え出す。15分から30分の間、ボールを受けた回数は15回に増加(計23回)。その流れのなかで、先制のOGが決まった。

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