勝点2差、いざ逆転優勝へ! 連覇を狙う横浜のキャプテン喜田拓也に直撃。苦境でより強くなった団結力「チームのためなら何でもやりたい選手ばかり」

2023年11月23日 野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

直接対決で敗れるも「厳しくなったとは思っていませんでした」

逆転優勝に意欲を燃やす喜田。今季のチーム力に対する手応えを口にした。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

 いよいよ残り2節になったJ1で、2連覇を狙う横浜F・マリノスは2位につけ、激しい優勝争いをしている首位のヴィッセル神戸を勝点2差で猛追している。

 クライマックスを迎えているこのタイミングで、キャプテンの喜田拓也にインタビューを実施した。

 喜田は、小学生の頃から29歳になった現在まで、トリコロール一筋の選手生活を送っている。2019年には腕章を託され、今季で5年目。誰もが認めるリーダーとして、トリコロールを牽引している。

 インタビュー前編となる本稿では、横浜の現状や、9位に終わって連覇を逃した20年と今季の違いなどを訊いた。

――◆――◆――

――公式戦4連勝中です。現在のチームの調子、勢いをどのように感じていますか?

 良い状態だと思います。もちろん、試合はすべて大事ですけど、最終盤になってきて、優勝が懸かり、いろんな重圧があるなかでも、しっかりと結果を出せているのはポジティブなことだと思いますし、本当の意味でのチーム力がついてきていると感じられます。
 
――9月29日に行なわれたJ1第29節、神戸との直接対決では0-2で敗れ、勝点差が"4"に拡大。逆転が難しくなったように見えました。

 あの時、厳しくなったとは、まったく思っていませんでした。もちろん、勝てるに越したことはなかったでしょうし、周囲の目も"天王山"だというので、注目度も高かったですから、負けてダメージがあるのではないかと見られたと思います。

 ただ、勝点が3ポイントなのは変わりません。上位以外のチームと戦う時と、"天王山"で、勝点が変わることはないですよね。勝てば6ポイントを取れるのであれば、もちろん違いますけど。

 試合の大小は、ないと思っています。周囲にとっての影響や注目が違うだけで、数字上はまったく違わないです。自分たち次第で、まだ行けると思っていました。その気持ちがあったからこそ、崩れることがなく、這い上がってこられたというのもあります。最後まで優勝を争える状況にあるのは、自分たちが折れなかった、崩れなかったのが、大きなポイントだったと思います。

――今季はDF陣を中心に、怪我人が続出しています。厳しいチーム事情があると思います。

 怪我は、ないに越したことはないですし、これだけの数の長期離脱者が出てしまうと、純粋にチームとしても、戦力的にはもちろん痛いです。そしてなによりも、負傷した選手の気持ちを思うと、とても胸が痛いです。

 ただ、怪我がないほうが良かったですけど、チームが培ってきたものとか、怪我した選手自身が見せる姿勢が素晴らしくて。やっぱり、彼らが見せる姿勢、「プレーできなくても、チームのためになりたい」とか、苦しいリハビリにも前向きに取り組んで、ひたむきになって、試合の時には、みんなをサポートして背中を押す姿が、プレーできる選手たちを「やらないといけない」という気持ちにさせてくれます。

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