【J1】開幕直前チェック 名古屋編|5人目まで連動する新スタイルの確立が急務も目標は優勝

2016年02月23日 今井雄一朗

“5人目まで連動”はおぼろげながらも見えた。

名古屋の2016年シーズン基本布陣。闘莉王が抜けた最終ラインは顔ぶれが大きく変わった。

 いよいよ2月27日に開幕するJ1リーグ。戦いの幕開けを目前に控えた各チームの仕上がり具合はいかなるものか。小倉新監督を迎え、新たなスタイルに挑戦する名古屋の直前情報をお伝えする。
 
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【プレシーズンを通じての収穫と課題は】
 
 チーム始動以降、ひたすらに新たなスタイルの確立に取り組んできたというのが現状だ。「実戦のほうがチームは作りやすい」(小倉隆史GM兼監督)ことを理解しながら、黙々とチーム内での練習に努めてきた。
 
 チーム初の実戦となった湘南との練習試合は、沖縄での2次キャンプ4日目となる2月6日と遅く、そこから鳥栖、G大阪とのプレシーズンマッチ、そして開幕1週間前に松本と、対外試合は4試合を行なうに留まった。これはチームコンセプトの理解とスタイルの確立を優先したものと見られる。
 
 そのため実戦感覚の養成が遅れ、練習試合の結果は1勝3敗と芳しくなかった。それでも試合を経るごとに内容は上がってきており、地道な練習の成果がここにきて形になりだしている。
 
 つまりプレシーズンを通じての収穫はチームコンセプトの体現が徐々にできてきたことにある。G大阪戦の後半に見せたような選手の集散によるコンビネーションはもとより、前線からのプレッシングと中盤でブロックを作る二段構えの守備、サイドバックを高い位置に置いてのゲームメイクなど、"シンクロするサッカー"の形が試合の中で表現できるようになってきたことで、選手も開幕へ向け自信を蓄えつつある。
 
 ひとつ気がかりなのが、セットプレーの守備。明らかに前年度よりも高さの点では落ちており、ここ2週間ほどでは矢野貴章と古林将太の右サイド同時起用で修正する流れも生まれている。これまで名古屋の代名詞だった高さの消失は、今季の悩みどころとなるかもしれない。
 

次ページ理想と現実の一挙両得を貪欲に狙う。

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