【リオ五輪代表】オーバーエイジを使って「決勝を目指す」。霜田技術委員長が最終予選を総括し、本大会までのプランを発表

2016年02月21日 飯尾篤史

6試合で15得点という結果に、「ボールを奪ったら裏を狙う、ゴールに向かう姿勢は出せた」

原川(7番)や大島、中島がペナルティエリアの外からシュートを決めたのも、ゴールへの意欲が高まっていた証だろう。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 2月19日、Jリーグの強化担当者会議が行なわれ、霜田正浩技術委員長によってリオ五輪アジア最終予選の総括と今後のスケジュールが報告され、その後、報道陣に対しても同じ内容のものが披露された。

 リオ五輪アジア最終予選の分析をする際、照らし合わされたのが、2015年4月に発表された
①「原点回帰」
②「Japan’s Way
③「世界基準へ」
という、日本サッカー界の3つの強化指針だ。
 
①「原点回帰」=本質を追求できたかについては、3つの角度から総括がなされた。「ゴールに向かう攻撃ができたか」、「ボールを奪いに行けたか」、そして「球際で負けない戦いができたか」である。以下、項目別に霜田委員長の見解を見ていこう。
 
ゴールに向かう攻撃ができたか
 トレーニングやミーティングで意識付けがなされたおかげで、「ボールを奪ったら裏を狙う、ゴールに向かう姿勢は出せたと思います」と霜田委員長は評価した。6試合で15点を奪ったうえに、大島僚太、中島翔哉、原川力がペナルティエリアの外からシュートを決めたのも、ゴールへの意欲が高まっていた証だろう。

・ボールを奪いに行けたか
 前線からプレッシャーを掛けにいく、引いてブロックを築くという使い分けはできていたが、「中盤でのボール奪取が少なかった」と霜田委員長は分析する。「つないでくる相手が多かった以上、中盤で前向きの、良い形でもう少し奪いたかったというのが反省です」。
 
・球際で負けない戦いができたか
 ディフェンディングサードでのタックル成功率が高く、最終ラインでは球際での勝負に負けていなかったが、全体を見ればまだまだ改善の余地があるようだ。ただし、「初戦の北朝鮮戦でタックル成功率が高く、初戦で厳しい戦いをモノにできたことが6試合につながった」と霜田委員長は見ている。

次ページ個の力で「試合を決められる選手」の不在を指摘。

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