「こんな綺麗な文字で言葉を書くんだ」ベン・メイブリーはなぜ日本の虜に? 解説者としての矜持も「私がファンにできるのは…」

2023年09月30日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

「好奇心豊かな子どもだったので。まあ、今もそうですけど(笑)」

解説者などとして活躍するベンさん。ABEMAでのプレミアリーグ中継終了後にスタジオで写真撮影に応じてくれた。

 日本に拠点を置き、プレミアリーグを鋭く斬り続けるイギリス人ジャーナリストがいる。ベンさんの愛称でお馴染みのベン・メイブリー氏だ。

 母国の超名門大学を卒業後、圧倒的な知識量で、遠く離れた国で唯一無二の立場を確立した40歳の彼は、そもそもなぜ日本に興味を持ったのか。直撃インタビューで、幼少期の出来事や、現在『ABEMA』などで担当する解説への想いを存分に語ってもらった。

――◆――◆――

――まず、日本に関心を持つきっかけは何だったのでしょうか?

「父親が80年代の途中からケンウッドという、日本のオーディオメーカーのイギリス現地法人で働き出して。スピーカー音響に非常に興味があって、すごく耳が良かったらしくて、それで仕事をやり出したんです。ケンウッドで長く勤めた後、パイオニアというライバル会社でも働いていて、職場がイギリスながら年2、3度ぐらい、日本に出張で行ったりしていたんですよ。

 子どもだった私はお父さんから写真を見せてもらったり、お土産をもらったり。そして、その頃は日本のメーカーが世界で1番進んでいて、特にAV関係のテクノロジーがどこよりも進んでいました。今だったら世界同時発売が基本だと思うけど、日本で発売の翌年にアメリカ、さらにその翌年にヨーロッパでの発売で。でもお父さんが日本に行っていたので、イギリスでまだ未発売のものを手にすることができました。
 
 ちょっと話が長くなっちゃった(笑)。子どもの時から、日本のテクノロジーがものすごく進んでいるイメージを持ったのと、素敵な写真をいっぱい見せてもらったり、お土産の説明書や箱にはもちろん日本語が書いてあったので、『こんな綺麗な文字で言葉を書くんだ』って印象を受けたんですよね。私は結構、好奇心豊かな子どもだったので。まあ、今もそうですけど(笑)。

 その頃からなんとなく、私の心の中で、日本に好奇心や興味を持つようになったんですね。それでお父さんの日本人の友達にも会ったりして。高校までずっと理系が得意だったんですけど、大学では文系にチャレンジして、やったことのないことを勉強したいと思っていたら、オックスフォード大学で、ジャパニーズスタディーズ、日本学専攻があると知って。『それだな!それやってみたい!』と思って、そのような勢いで勉強しました。

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