ボランチ転身を進言。34歳・金崎夢生が原点回帰「何よりもFC琉球がもっと勝てるようにしたい」

2023年08月25日 元川悦子

琉球は勝点28で15位

今季に大分から琉球に加入した金崎。ここまで15試合に出場し、ピッチに立てば熟練のプレーで奮戦する。(C)J.LEAGUE

 2023年のJ3も残り15試合となったが、相変わらずの混戦模様となっている。

 23節終了時点で首位の愛媛FCは勝点44、2位のカターレ富山が同40だが、勝点30台が11チームもあり、今後の展開次第ではJ2昇格圏の顔ぶれが入れ替わる可能性も否定できないのだ。

 1年でのJ2復帰を目ざしているFC琉球は、30台グループの少し下に位置し、勝点28の15位。今季は倉貫一毅監督が率いる新体制でスタートしたものの、10節終了時点で3勝1分6敗と黒星先行の苦境に瀕し、5月15日付けで監督が交代。昨季序盤に指揮を執っていた喜名哲裕監督が復帰する形で現在に至っている。

 しかしながら、その後も急浮上とはいかず、連勝したのは、7月2日のカマタマーレ讃岐戦と9日の松本山雅FC戦だけ。喜名監督は「かなり厳しくなってきているが、ホームで確実に勝点3、アウェーで勝点1を積み上げて、食らいついていくしかない」と語っていたが、何らかの劇的な起爆剤が欲しいところだ。

 そこで1つ、期待されるのが、34歳・金崎夢生のボランチ起用である。ご存じの通り、金崎と言えば、鹿島アントラーズの2016年のJ1制覇、クラブワールドカップ参戦の立役者となった点取り屋だ。

 日本代表でも11試合出場で2ゴールという実績を残している。その彼が今季からJ3に参戦したことは多くのファンを驚かせたが、8月12日のFC大阪戦の80分から中盤で出場。ボールをさばいたり、時には自らが前へ出て行ったりと、新たなリズムをもたらそうと試みていた。
 
 金崎がここまでの流れを説明する。

「シーズンが始まってずっとフォワードでやっていたんですけど、このメンバーで少しでも安定した戦いをして、勝ちを拾っていくなら、自分がボランチに入ってやることがプラスになるんじゃないかなと感じていたんです。

 最初に思ったのは、倉貫さんが代わる少し前。でも前の監督にはフォワードとして取ってもらったんで、自分の考えは伝えませんでした。

 その後、喜名さんのもとで戦っていくなかで、やっぱりチームを変えていかないといけないという思いが強まった。そこで7月22日のY.S.C.C.との試合前日に『自分がボランチをやったほうがいいと思います』と言って、少し話をさせてもらいました。

 喜名さんも理解してくれて、そこからはボランチで練習するようになった。3週間、練習とか練習試合を重ねて、そして8月12日のFC大阪戦という形になりました」

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