日本サッカー界の発展に必要なのは? U-20日本代表・冨樫剛一監督が強調する育成年代から世界で戦う重要性【独占インタビュー/後編】

2023年08月09日 松尾祐希

世界一を掴むために何が必要だったのか

U-20日本代表を率いる冨樫監督。日本サッカー界を発展に必要なものは何か。(C)Getty Images

 2大会ぶりに開催されたU-20ワールドカップに臨んだU-20日本代表は、1勝2敗の3位でグループステージ敗退に終わった。

 悔しさはある。勝点1を積み上げていれば、ノックアウトステージ進出は果たせていた。コロンビア戦で勝点1を積み上げていれば、イスラエルとの最終戦で逆転負けをしなければ――。もっと言えば、短い準備期間の中で他にできたことはなかったのか。グループステージ突破を果たし、世界一を掴むために何が必要だったのか。U-20代表の冨樫剛一監督に、今後の日本サッカー界を発展させていくうえで必要なポイントを探ってもらった。

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 2023年3月に行なわれたU-20アジアカップ。日本代表はグループステージを3連勝で突破し、1位でノックアウトステージに歩みを進めた。準々決勝ではヨルダンを2−0で撃破。準決勝でイラクにPK戦で敗れたが、上位4か国に与えられるU-20ワールドカップの出場権を掴んで世界一を目ざす権利を手に入れた。

 しかし、ここから多くの問題に直面する。3月下旬に開催地が変更され、決戦の地がインドネシアからアルゼンチンに移り、短い準備期間の中で新たな場所の情報を手に入れる必要があった。

 選手たちはもちろん、コーチングスタッフでもアルゼンチンを熟知している者は少ない。さらに大会開幕までは予選終了後から約2か月しかなく、新たな選手を試す機会も限られている。
 
 前回大会までであれば、アジアの最終予選が前年の秋に行なわれていたため、チームをもう1度作り直す時間があった。今回はそれができない。しかも、登録メンバーもアジアの戦いは23名だったが、ワールドカップは21名で挑む。前々から分かっていたことだったが、冨樫監督は頭を悩ませた。

「レギュレーションが変わったことで選手を試す場がほとんど作れない。今まではU-18の世代でアジアカップ予選、U-19の世代で最終予選を兼ねたアジアカップ、U-20の世代でワールドカップでしたが、今回から変更された。U-19の世代でアジアカップ予選、U-20の世代でアジアカップとワールドカップを戦う形になり、しかも年が明けてすぐにアジアカップを戦うレギュレーションになったので、選手の成長スピードが変わってくる。最終予選を経験して伸びてくる選手、最終予選のメンバーに入れない悔しさを味わって所属クラブでグッと伸びてくる選手を含めて、メンバーを組み直すことができなくなったのです。

 今回、4月の活動もトレーニングマッチをするだけの1泊2日の活動になりました。そのなかで、僕たちが考えなければいけないのは世界で戦うこと。セネガルの10番と対峙した時に対応できるのか。コロンビアのフォワードに対して通用するのか。イスラエルのパスワークに対抗できるのか。さらにはアジアカップから2人減った状態でグループステージ3試合プラス決勝までのノックアウトステージ4試合を考えないといけません。

 各ポジションに2人を呼ぶことができないのであれば、選手交代をしないでピッチに立っている選手で変化を起こす。試合状況、相手の形、いろんなものを見ながら、ピッチの11人で変化をし、交代策で流れを変えていく。どの編成がいいのか、そこが一番考えたところです」
【PHOTO】松木玖生やチェイス・アンリらが絶妙ポージング! U-20日本代表 公式ポートレートギャラリー

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