【独占インタビュー】バルサのバルトメウ会長がクラブの近未来像とスアレス獲得秘話を語る

2016年01月15日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

「バルサの会長は、いわゆる名誉職だ」

ときおり笑顔も交えながらインタビューに応じたバルトメウ会長。メガクラブの現役会長がクラブの近未来像を語った。 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

――世界でもっとも人気が高く、影響力のあるクラブの会長というのは、どういうものなのでしょうか?
 
「バルサの会長というのは、いわゆる名誉職だ。あなたなら当然知っていると思うが、バルサには約14万人のソシオ(クラブ会員)がいて、6年ごとに会長選が行なわれる。つまり、この仕事には期限があるわけだ。わたしの任期は、まだ5年半以上残っているが、任期満了となれば、バルサとわたしのいまの関係は終了する。だから、その期間内で最大限の力を出すことを目標にしているし、それはわたしにとってとても名誉なこと。ただ同時に、非常に大きな社会的責任を伴う仕事でもあるがね」
 
――プレッシャーは相当だと思います。どう対処していますか?
 
「たしかに。ただ、それはどんな仕事でも同じだろう。わたしは元来、自分自身に対して要求度の高い人間だが、プレッシャーや責任を感じたときは、常識を持って対応すべきだと考えている。ここでいう常識は、すべての決断をクラブの最善のために下すこと。自分自身ではなくね」
 
――経営哲学を教えてください。重要な決断をする際に拠って立つ信念などはありますか?
 
「幸運は存在しない、ということだろうか。バルサが現在世界のトップに立っているのは、偶然ではない。それはこの10年、クラブが非常に良い決断を下してきたことによる結果なんだ。幸運はないが、そこには信頼があり、信念がある。それと、おそらくカタルーニャ人のスピリットというのも、大いに関係しているのかもしれない。スピリットというか、カタルーニャ人のあり方というか。相手の話をよく聞き、お互いに歩み寄って、必死に妥協点を見出そうとする。そういった部分がわれわれにはあるんだ。立場が上だからといって、一方的に相手を押さえつけようとはせずにね。バルサはここ数年、偉大な目標を達成してきた。それは、だれもが納得できる素晴らしい妥協点を見出してきた結果なのかもしれない」
 
 

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