【消えた逸材】「マドリーに行くべきだったかもしれない…」チェルシーでピルロになるはずだった男の後悔

2023年08月31日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

アンチェロッティがレジスタにコンバート

アンチェロッティ時代のチェルシーで台頭したマクイクラン。(C)Getty Images

ジョシュ・マクイクラン(MF/元イングランドU-21代表)
■生年月日/1993年3月1日
■身長・体重/178㎝・65㎏
 
 いま振り返ってみれば──と、後悔を残した瞬間がある。2010年、17歳の夏の決断だ。
 
 レアル・マドリーからオファーがあった。5年契約を提示され、家族とともにマドリードに招待された。それを断った。マドリードにも行かず、具体的な話も聞かずに、「NO」と返事した。
 
「チェルシーに残りたいと、それだけ伝えた」
 
 当時を述懐する本人の言葉だ。ウェブメディア『ジ・アスレティック』に語った。
 
「チェルシーのファンだったし、そこでブレイクしはじめていたからね。でも、いまになってみれば、行くべきだったのかもしれない」
 
 R・マドリーの話を断ったことが、そこまで重い決断になろうとは、そのときジョシュ・マクイクランは夢にも思わなかった。

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 アンドレア・ピルロになるはずだった。中盤の底からパスを振り分け、テンポをコントロールする司令塔、イタリアで言うレジスタだ。その可能性を見出したのが、他でもないカルロ・アンチェロッティだった。ミランの監督をしていたアンチェロッティが、中盤の深い位置から攻撃を組み立てる「レジスタ」という概念を形にし、ファンタジスタのピルロをトップ下からそのレジスタとして大成功させたのはあまりに有名なエピソードだ。
 
 そのアンチェロッティが、マクイクランにピルロを見たのだ。若者の未来は約束されたようなものだった。
 
「落ち着きとビジョンを買ってくれて、中盤の底にポジションを移された。攻撃的MFからのコンバートだった。ピルロのビデオを見て、そのプレーを勉強するようにと、そう言われたんだ。もちろんそうしたよ」
 
 ジ・アスレティックでのコメントだ。他の媒体にはこうも語っている。
 
「カルロ(アンチェロッティ監督)はほとんど付きっきりでポジショニングや動き方の指導をしてくれた。信頼して僕にボールを委ねてくれた」
 

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