ブンデスからオファーも、斉藤光毅はなぜオランダ残留を選択?「一番の決め手は...」他人と比べず、自分自身にフォーカス【独占インタビュー/後編】

2023年07月15日 松尾祐希

最善の答えを出すために自問自答

斉藤光毅(さいとう・こうき)2001年8月10日生、神奈川県出身。経歴:横浜FC―ロンメルースパルタ。俊敏かつテクニカルなパリ五輪世代注目のアタッカー。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 オランダ1年目のシーズンを終えた斉藤光毅。今オフにはドイツ・ブンデスリーガ1部のクラブからオファーが届き、次のステージに進むチャンスが巡ってきた。

 残留するのか。移籍の道を選ぶのか。

 来夏のパリ五輪でエースとして期待される斉藤は、スパルタ・ロッテルダムにもう1年残ることを決めた。ステップアップではなく、なぜ残留の道を選んだのだろうか。
《前編はこちらから》
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 シーズン後半戦は二度の3試合連続ゴールをマークするなど、オランダリーグ挑戦1年目で目覚ましい活躍を見せた。コンディション不良で出遅れた前半戦の出来が悔やまれるが、斉藤は自分が活きる環境を構築して存在感を高めた。

「サイドバックの選手が上がってくるのが得意だったら、サイドハーフの自分が中に入る。内側を取るプレーが得意であれば、外側にポジションを取る。そのコミュニケーションがやっぱり大事なので、自分が活躍するためにチームとして機能する環境作りは大事だと感じさせられました」

 仲間からの信頼を勝ち取ってボールも集まるようになり、得意のドリブルがより活きる状況が整った。シーズン終盤にかけて結果を残した斉藤の評価は、チーム内で増しただけではなく、他クラブの関心を引き寄せた。

「試合にも出られて、ゴールも取れました。(特に後半戦は)自分のプレーもできて、通用しているという自信が湧いてきた状況で、移籍の話をもらえたんです。ステップアップしたい。その想いが強くなった一方で、もう1年スパルタでプレーしたほうがいいと考える自分もいました」

 ドイツ・ブンデスリーガ1部のクラブからオファーが届いた。シーズン終了後に熟考した斉藤は様々な想定をしながら、最善の答えを出すために自問自答を繰り返した。

「正解は分からないし、未来のことは分からない。どんな選択をしても、本当に自分次第。ステップアップしたとしても活躍しないと意味がないし、残ったとしても活躍しなければ意味がない。結局は全部、自分次第なんです」

【動画】カットインから鮮烈ショット! 絶妙タッチのゴールも

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