プロ注目の尚志・安齋悠人vs.市船の不動の右SB佐藤凛音。プレーで語り合い、激しいバトルで2人の間に深い絆が生まれた

2023年05月19日 安藤隆人

期待をはるかに上回る攻防

市船の佐藤(左)と尚志の安齋(右)の見応えるマッチアップに胸が躍った。写真:安藤隆人

 プレミアリーグ第6節・市立船橋対尚志の一戦。1-1のドローに終わったこの試合で、90分間、ずっとワクワクしながら見ていたバトルがあった。

 プロ注目の尚志の左サイドハーフ・安齋悠人と、昨年から市船の不動の右サイドバックとして君臨する佐藤凛音。この2人が立ち上がりからバチバチの火花を散らしながら、ハイレベルな駆け引きと激しい球際、そして鮮やかなボール奪取と突破を交互に繰り出し、このサイドは最大のホットスポットとなっていた。

 安齋は両足の滑らかなボールタッチと鋭いボディシェイプ、そして相手の出方を見ながらカットインと縦突破を使い分け、シュートとクロスの質も高い高校年代屈指のドリブラーだ。

 佐藤はボランチとして鹿島アントラーズつくばジュニアユースから市船にやってくると、1年生の途中で右サイドバックに転向。178センチのサイズに加え、鋭い読みと駆け引きの上手さ、クロスの精度を武器に昨年から名門でレギュラーを射止めた。

 両者のマッチアップは試合前から楽しみの1つであったが、期待をはるかに上回るものだった。
 
 佐藤が「安齋選手は試合前のスカウティングの段階でもそうですし、尚志の試合を見てもドリブルが得意な選手だし、いつも1対1の時はボールよりも相手をしっかりと見て対応するのですが、スペシャルな選手なので、よりその意識を強めた」と語ったように、立ち上がりから安齋に常に目を配り、彼がボールを受けるとすぐさま寄せながらも、相手の出方を読み取る守備を仕掛けた。

 29分、安齋が足もとでボールを受けると、アウトサイドのタッチで佐藤を牽制。しかし、佐藤はしっかりと安齋の動きを捉え、腰を落としながらカットインをさせない立ち位置を取った。それに対して安齋は縦突破を選択。すると、佐藤が素早く反応し、安齋のクロスをスライディングでブロックした。

 39分、安齋がカウンターから左サイドでボールを受けると、素早く寄せてきた佐藤に対し、牽制を入れてから右アウトサイドで高速カットインを仕掛けて佐藤を振り切ってから右足を振り抜く。ゴール左隅に飛んだシュートは、GKギマラエス・ニコラスのファインセーブに遭った。

 44分には佐藤がインターセプトから一気にドリブルを仕掛け、カウンターの起点となると、最後は市船のエースストライカー郡司璃来が決定機を迎えるが、シュートは枠の外に。

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