【プレミア現地コラム】「オーウェン&ヘスキー」を彷彿させる2トップ。ワトフォード躍進のそれが原動力だ

2015年12月18日 山中忍

中盤の底で技巧派ボランチのキャプーが存在感。

中盤の底で真価を示しはじめたのが、攻守両面で高い貢献度を誇る技巧派ボランチのキャプーだ。主将ディーニーが「本来ならウチにはもったいない」と称えるなど、周囲からの信頼も厚い。 (C)Getty Images

 好調だからこそ、ワトフォードには気の毒だ。
 
 昨シーズンの2部リーグで2位に食い込んだ古豪は、開幕前に降格候補と目されながら、ここまで16試合を戦って勝点25の7位と大健闘している。
 
 ところが、今シーズン最弱のはずが潔い正攻法で奮闘するボーンマスと、ジェイミー・ヴァーディーのゴールラッシュでトップ4候補に化けたレスターにスポットライトを奪われているのだ。
 
 国内の高級紙では、ワトフォード戦の記事が毎週のようにスポーツ面の片隅に追いやられる。だが、本当は話題性十分だ。基本システムは、ともすれば「時代遅れ」と否定されがちな4−4−2。今夏の就任当初に「プレミア初心者」として不安視された、指揮官キケ・フローレスの腕前も見て取れる。
 
 新監督は、チームに前線からの守備や相手ボール時の陣形を意識させることに成功。昨シーズンは2部でも「50」に到達した失点数を、16節終了時点で「16」に抑えている。
 
 中盤の底では新戦力のエティエンヌ・キャプーが真価を見せはじめた。13年夏にトッテナムが、およそ17億円の大金を投じて獲得した技巧派ボランチ。主将のトロイ・ディーニーが「本来ならウチにはもったいない」と称えるほど、その効き目は抜群だ。

 そして、そのディーニーとオディオン・イガロの2トップこそが躍進の原動力となっている。

 

次ページチームの18得点中15点を2トップで叩き出している。

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