【クラブ・ワールドカップ直前】リーベル・プレートが過去に日本で戦った4試合を回想――1986、96、97、2015夏

2015年12月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

2015年夏――南米制覇直後の来日で見せたプロのあるべき姿。

アルセナル(08年)、インテルナシオナル(09年)に続いてスルガ銀行チャンピオンシップで勝利した3チーム目の南米クラブとなったリーベル。「国内リーグに向けて弾みがつく」とガジャルド監督は素直に勝利を喜んだ。 (C) Getty Images

 12月8日、クラブ・ワールドカップ出場のため、リーベル・プレートの選手、スタッフたちが、地球の裏側のアルゼンチンから長旅を経て、成田空港に到着した。
 
 ブエノスアイレスでは大勢のサポーターから激励と見送りを受けてきたリーベル。選手は口々に「バルセロナを下して、世界一になりたい」と抱負を語っていた。
 
 4年前には2部リーグに降格するなどドン底を経験しながらもそこから這い上がり、今回、南米王者として来日を果たしたアルゼンチン屈指の名門クラブは、世界制覇に向け、まず12月16日、大阪長居スタジアムで最初の戦いに臨むこととなる。
 
 さて、リーベルといえば今夏8月5日にティグレスとのリベルタドーレス・カップを制し、その喜びも冷めやらぬうちに来日を果たして、8月11日にガンバ大阪と「スルガ銀行チャンピオンシップ」を戦っている。
 
 コパ・スダメリカーナ王者とナビスコカップ王者が対戦するこのコンペティションは、これまで南米勢が5連敗を喫していたが、リーベルは内容でもG大阪を押し込んで3-0の完勝を収めた。
 
 ちょうど東アジアップが開催されていたこともあり、G大阪は東口順昭や宇佐美貴史ら多くの主力を欠いていたが、リーベルもフルメンバーではなく、しかもコンディション面では明らかに不利な状況にあったが、彼らはそれを感じさせない精力的な動きで相手にプレッシャーをかけ、素早い反応でチャンスを作り続けた。
 
 序盤8分で得たPKをカルロス・サンチェスが決め、31分にはCKをガブリエル・メルカドが打点の高いヘッドで合わせて追加点、そして61分にはスルーパスを受けて抜け出したゴンサロ・マルティネスが巧みなシュートでダメを押した。
 
「これは重要な戦いだと認識して臨んだ。過酷なスケジュールのなかでのリスキーな挑戦だったが、勝てて良かった」と試合後にガジャルド監督が語った通り、リーベルは名門の意地と誇り、そしてプロフェッショナルのあるべき姿を今夏の日本で披露してみせた。
 
 そしていよいよ、今度は世界王者の座を懸けた厳しい戦いが始まる。ここでは決戦を前に、過去にリーベルが欧州王者と世界一を争った、冬の国立競技場での2つの戦いを振り返っていく。
 
【写真で振り返る】スルガ銀行チャンピオンシップ2015
 
◎スルガ銀行チャンピオンシップ2015
15年8月11日・万博記念競技場
リーベル・プレート 3-ガンバ大阪
得点:サンチェス(8分)、メルカド(31分)、マルティネス(61分)
 
◇リーベル
出場メンバー:GKバロベロ、DFメルカド、マイダナ、フネス・モリ、バンヒオーニ、MFサンチェス(78分マジャダ)、ポンシオ(52分マルティネス)、クラネビッテル、ベルトロ(52分ビウデス)、FWドリウッシ(52分ピスクリチ)、サビオラ(64分ゴンサレス)
サブ:GKチアリーニ、DFバランタ、MFソラリ、FWボジェ
監督:ガジャルド
 
◇G大阪
出場メンバー:GK藤ヶ谷、DF金(41分倉田)、岩下、今野、オ・ジェソク(83分平尾)、MF遠藤、明神(HT藤春)、大森(55分二川)、井手口、FWリンス(64分阿部)、パトリック(71分赤嶺)
サブ:GK田尻、DF西野、FW長沢
監督:長谷川健太

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