【インタビュー】ジェローム・ボアテング「ペップの下で“世界最高のディフェンダー”になりたい」

2015年12月04日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

僕には落ち着くことを学ぶ必要があったんだ。

昨夏のブラジルW杯では母国にとって24年ぶりとなる世界制覇に貢献。いずれはドイツ代表のキャプテンになりたいと言う。(C)Getty Images

 守備だけでなく攻撃での貢献も求めるバイエルンのジョゼップ・グアルディオラ監督の指導は、「世界最高のディフェンダー」を目指すうえで、むしろプラスに働いているという。ジェローム・ボアテングがピッチ内はもちろん、ファッションなどピッチ外の趣味も語り尽くす。
 
――◆――◆――
 
――ジェローム、君はこの数シーズンでバイエルンの主力に成長し、いまや世界屈指のディフェンダーに数えられる。進化の秘訣は?
 
「マンチェスター・シティからバイエルンに移籍してから、大きく成長できたと思う。ユップ・ハインケスとジョゼップ・グアルディオラの両監督は、僕を信頼し、多くのプレー時間を多く与えてくれたからね。戦術とテクニックの両方を学べたんだ」
 
――昨今の活躍により、ブラジル・ワールドカップ以降に巻き起こった君への批判を黙らせることができたと思う。なにか反骨精神みたいなものが生まれていたのかな?
 
「実は家族や近しい人たちとしか、サッカーの話をしないようにしているんだ。だから、メディアやサポーターの批判的な話はあまり気にしていない。ただ、批判の中には時に誠実で、自分のタメになるようなものもある。そういった意見には耳を傾けるようにしているよ」
 
――君はかつてのインタビューで「代表チームとバイエルンのキャプテンになることが目標」って語っていた。大きな責任と目標は成長過程においてやはり重要なもの?
 
「代表チームのキャプテンマークを付けられたら、このうえなく名誉なことだと思う。いわばドイツという国の象徴になるわけだからね。でも、僕は自分から求めたりしないよ。すべての物事にはプロセスがある。この2、3年で僕はかなり成長できた。だからこそ、いまバイエルンでリーダーとしての役割を担っているんだ。自然の摂理に任せるよ」
 
――君は常に冷静沈着でミスが少ない。これは自分の個性だと思う?
 
「まだ若かった頃は、慌てたり怒ったりして、集中力を欠く試合があった。僕には落ち着くことを学ぶ必要があったんだ。で、今はお手本のような落ち着いたプレーをする方法を見出した。僕はディフェンダーだしね、冷静にこしたことはないよ。敵に報復をしたり、チームメイトを怒鳴りつけてもなにもポジティブなことはないから」
 
――君のコメントには、相手へのリスペクトに溢れている印象がある。
 
「そうだね。両親から教えられたことだよ。2人からこの価値観を学んだんだ。誰が対戦相手で、相手がピッチで何をしようが関係ない。誰もが必死に戦っているんだから尊敬すべきだし、相手をリスペクトすることで自分を見失わないでいられるんだ」

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