W杯のコスタリカ戦に続きウルグアイ戦でも…。三笘と伊藤の同サイド起用はリスキーか

2023年03月25日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

準備期間の短さは言い訳にならない

三笘と伊藤(26番)との連係には課題が残った印象だ。写真:サッカーダイジェスト/JMPA代表撮影

[キリンチャレンジカップ]日本 1−1 ウルグアイ/3月24日/国立競技場

 ウルグアイとの試合前日、森保監督はこう話していた。

「(速攻は)サッカーのセオリーで絶対に持たないといけない部分。ボールを握るところが先行しすぎて、素早く攻めることを忘れてはいけない。試合をコントロールするのは理想としてレベルアップしていきたいですが、同時に相手が嫌な攻撃もやっていきたい」

 これを実践したのはむしろウルグアイのほうで、日本は苦しい戦いを強いられた。特に前半は相手の前線からのプレスに苦しみ、思うようにボールを繋げられない展開で、カウンターからいくつかピンチを招くなど、低調なパフォーマンスに終始したのだ。

 期待の三笘も見せ場は限られ、孤立するシーンも何度か見受けられた。途中出場の選手(主に伊東)が躍動感をもたらしてくれたおかげで引き分けに持ち込めたものの、どこかすっきりしない内容だった。短い準備期間での組織構築が難しいのは重々承知しているが、それでも同じような条件でウルグアイはある程度規律がとれたサッカーをしていたのだから、準備期間の短さは言い訳にならない。

 カタール・ワールドカップ後初の親善試合、第二次森保ジャパンの初陣なので、正直、ハイレベルな内容は求めていなかった。ただ、日本がやりたいことを、しかもホームゲームでまんまとウルグアイにやられてしまう脆さは気になる。
 

 前半で気になったのはチームが間延びしていた点だ。前線から最終ラインの距離が遠く、守備の局面で前からプレスで嵌めようとしても選手の距離間が悪いせいで簡単にパスを通され、ファウルで阻止するシーンも目に付いた。加えて、1トップの浅野が敵の2CBにいわば消されたせいで中央突破という選択肢がなくなり、外回りのパスが必然的に増えたことがチームの攻撃を停滞させた一因と言えた。

 伊東の打開力、西村の決定力、菅原のチャンスメイクとポジティブな側面ももちろんあったとはいえ、このゲームでどちらが試合巧者だったかと言えば、間違いなくウルグアイだった。

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