【移籍専門記者の視点】アンチェロッティ、モウリーニョ、グアルディオラ――複雑に糸が絡み合う「名将3人の来夏動向」

2015年11月27日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

アンチェロッティはすでにバイエルンと接触している。

すでにバイエルンと接触し、R・マドリー復帰もありえるというアンチェロッティ(左)。しかし、ファーガソン(右)の古巣マンチェスター・Uも候補に?(C)Getty Images

 来夏のカルロ・アンチェロッティに関しては、現時点でふたつの可能性がある。
 
 ひとつはバイエルン。もちろん、ジョゼップ・グアルディオラが契約を延長せずに退団を決めた場合の後釜という位置づけだ。すでにカール=ハインツ・ルムメニゲ代表取締役ら首脳陣から接触があり、単なる打診というレベルよりも先まで話が進んでいるようで、後任候補の一番手であることは間違いないだろう。
 
 もうひとつ、可能性を排除できないのがレアル・マドリーへの復帰だ。今夏にフロレンティーノ・ペレス会長がその後任として招聘したラファエル・ベニテスはチームの内外で様々な問題を抱えており、状況は外から見える印象よりもずっと深刻だと言われる。
 
 チーム内ではクリスチアーノ・ロナウド、ガレス・ベイルのどちらとも上手くいっていない。ほかにも少なくない主力選手たちが監督に不満を抱えており、アンチェロッティの復帰を望んでいるという。また、メディカルスタッフとの関係も良好とは言えない。
 
 そうした事実もあり、クラブ上層部の一部が、近い立場にある代理人やコンサルタントと一緒になって、ペレス会長にアンチェロッティの復帰を説得しようと動いている。この動きはプレドラグ・ミヤトビッチのスポーツディレクター再任とセットになっており、もし実現すればクラブ内部の勢力図も変わってくるだろう。
 
 もちろん最終的な決断がペレス会長に委ねられているのは言うまでもない。一部で会長がジョゼ・モウリーニョの再登板を望んでいるという情報もあるが、私は信憑性が薄いと思う。

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