【東京V】昨季20位から8位に躍進も… あと一歩昇格プレーオフに届かなかった理由

2015年11月26日 海江田哲朗

最終節まで可能性を残し、勝利すれば逆転プレーオフ進出だったが……。

チーム得点王の南。初の二桁ゴールを達成し、チームの躍進に大きく貢献した。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

「今年、自分たちが順位を上げていくことで見える景色が高くなってきた時、例えばあと少しの精度を欠き、なかなか勝点が伸びなかった。リスタートからゴールを取る力も不足していた。選手はピッチのなかですべてを出し切ろうとやってくれました。結果は自分の責任ですので、しっかり受け入れたいと思います」
 
 敗軍の将、東京Vの冨樫監督は語った。
 
 J2最終節、東京VはC大阪に0-2の敗戦を喫した。6位の長崎(勝点60)が北九州に敗れ、7位の東京V(勝点58)は勝てば逆転プレーオフ進出となったが、絶好のチャンスを活かせなかった。最終順位は8位でシーズンを終えた。
 
 攻守の要として若いチームを牽引してきた中後雅喜は言う。
「最後までゼロで終わってしまった。点を取れなかったのが悔しい。ゲームの入り方は悪くなかったですが、相手のCKから点を取られたのは痛かったですね。昨年同様、セットプレーからの失点が多すぎた」
 
 先に決定機を作ったのは東京Vだった。10分、三竿健斗が相手のドリブルを止め、安西幸輝、杉本竜士とつなぎ、南秀仁が丁寧なクロスを入れたが、アラン・ピニェイロの右足は空を切った。62分、中後は外を走るフリーの味方を敢えて使わず、ゴール前の南に絶妙な縦パスを入れている。だが、これもシュートまで持ち込めなかった。そうして好機を逸したあと、決まって訪れるピンチに東京Vの守備は決壊した。
 
「南は巧いのでどんなボールも止めるんですけど、あそこでスッと前を向けるボールを出せれば。もう一声かけていれば。パスにメッセージを込めていれば。ほんの少し、なにかが足りなかった」(中後)
 
 

次ページルーキーの三竿、チーム得点王の南などアカデミー育ちの若手が戦力を底上げ。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事